なぜ車内に「ドライバー1本を所持」で逮捕!? 「ピッキング防止法」の違反とは…本当に逮捕されるのか?
警察官の「さじ加減」で逮捕される可能性はある?
一方で、「正当な理由」については、現場に臨場した警察官の裁量にゆだねられている部分も多く、極端にいえば、警察官の「さじ加減」で逮捕されるかどうかが決まってしまうのではないかという声もあります。
実際のところ、警察官には一定の裁量権が認められており、犯罪行為を発見してもすべて検挙する必要はないとされています。
これは、軽微な犯罪をすべて処理することは現実的に不可能であることに加え、犯罪行為を見かけたらすべて検挙しなければならないと規定してしまうと、検挙できなかった場合には罰則規定を与えなければならず、いずれにせよ、警察機能が成り立たなくなってしまうためです。
そういう意味では、警察官の「さじ加減」は存在するといえますが、一方で警察官は警察官職務執行法によって行動が厳密に規定されており、緊急の場合をのぞいて、ひとりの警察官が単独で判断することはほとんどありません。
各警察官は上長の指揮によって行動し、警察組織は検察庁によって監督されると規定されており、これに反すると罰則を受けることになります。
つまり、ひとりの警察官が「さじ加減」で逮捕をしたり、犯罪を見逃したりすることが簡単にはできないような仕組みとなっています。

そのため、もし、車内のドライバーや工具に対して職務質問を受けたとしても、やましいことがないのであれば、堂々と説明をしましょう。
そもそも逮捕とは証拠隠滅を防止する目的が強いため、隠したりごまかしたりするほうが心象が悪くなってしまうかもしれません。
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今回と近いケースとして、銃刀法違反が挙げられます。
例えば、料理人が適切な方法で包丁を所持していれば検挙される可能性は低いといえますが、そうでない人が包丁を持ち歩いていれば、大きな問題となることは間違いありません。
ピッキング防止法と共通していえるのは、所持していることそのものよりも「正当な理由」があるかどうかが重要であるということです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

















