もうホンダ新型「CR-V」初公開!? 6代目は「スタイリッシュSUV」に全面刷新? 中国政府系サイトに登場したワケ

中国市場と北米市場における「CR-V」の立ち位置とは

 CR-Vは2004年に中国へ上陸しました。一時期は5年連続で「中国でもっとも売れたSUV」に輝き、2020年には中国市場だけで累計販売台数200万台を突破、その止まらない勢いがCR-Vに対する根強い支持の証です。

 2019年には姉妹車の「ブリーズ」が登場。ホンダは東風汽車との「東風ホンダ」、広州汽車との「広汽ホンダ」のふたつの合弁会社を設立しており、そのうちCR-Vは東風ホンダが、ブリーズは広汽ホンダが製造・販売をおこなうモデルとなります。

 ホンダやトヨタなど中国に複数の合弁会社を持っている自動車メーカーは、それぞれの会社で別のデザインと車名を与え、同じ車を姉妹車の関係でリリースすることが一般的です。

 CR-Vとブリーズ以外にも、ホンダでは東風ホンダと広汽ホンダの順で「エンヴィクス/クライダー」、「シビック/インテグラ」、「XR-V/ヴェゼル」、「UR-V/アヴァンシア」、「ライフ/フィット」、「エリシオン/オデッセイ」など、同様な姉妹車があります。

 東風汽車のCR-Vが次期モデルへ移行することに伴い、広汽ホンダのブリーズももうすぐ次期モデルが発表されることとなるでしょう。

 次期モデルに関して、まずは中国に先行してアメリカで発表発売がおこなわれると予想されています。

現行モデルのPHEV仕様となる「CR-Vスポーツハイブリッドe+」(中国市場向け)
現行モデルのPHEV仕様となる「CR-Vスポーツハイブリッドe+」(中国市場向け)

 CR-Vはアメリカでも毎年40万台近く売れている大人気モデルで、トヨタのRAV4に迫る勢いを見せています(2021年ではRAV4が40万7739台、CR-Vが36万1271台)。

 また興味深いのはアメリカにおける「盗難車ランキング」で、2020年CR-Vは約1万2300台も盗まれて(前年比22%増)9位に入っています。

 シビックも上位に入っており、いずれも2000年モデルがもっとも多く被害に遭っている状況です。

 中国では2021年に18万377台販売された一方、本国・日本では現行モデルの販売終了が発表されており、芳しい実績を残せていません。

 このことからも、次期モデルもアメリカや中国を意識するのは無理もない話となってきます。

 また前述の通り、2022年4月14日にアメリカホンダは主力車種のハイブリッドモデル拡大見通しの発表をおこないました。

 この際、主力モデルでのハイブリッド車両比率をさらに拡大していくことを明かしており、同市場での販売中心となっているCR-Vと「アコード」の次期モデルに、同クラスのベストパフォーマンスをもつハイブリッドシステムの搭載を予告しており、ホンダがCR-Vに注力していることが伺えます。

 こうした競争が激化する中国やアメリカの小型SUV市場で、ホンダの新たなSUV戦略がどのように存在感を発揮していけるか、引き続き注目していきたいです。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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