FF最速ウォーズに名乗りを上げる究極のホットハッチ! VW新型「ゴルフGTI」はどう進化?
8世代目フォルクスワーゲン新型「ゴルフ」をベースにしたホットハッチ「ゴルフGTI」が日本で登場したのは2021年12月です。先代「ゴルフGTIパフォーマンス」と同等の245馬力エンジンを搭載するスポーツモデルはどのように進化したのでしょうか?
ボディのしっかり感で不快な振動がない
ホットハッチ、コンパクトスポーツ、ボーイズレーサー……。呼び方はいろいろありますが、フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」はこの手のカテゴリーでは定番中の定番といえるモデルです。
ゴルフIがデビューした翌年にあたる1976年に登場した初代ゴルフGTIは、当初5000台程度を販売する計画でしたが、結果的に46万1690台を売り上げる大ヒット作となりました。
実は「パワフルなエンジンを積み、足まわりをスポーティに仕立てたコンパクトカー」は初代ゴルフGTI以前にも存在していましたが、これほど売り上げを伸ばし、一種の社会現象まで引き起こしたホットハッチはゴルフGTIが初めて。この結果、ゴルフGTIはベースモデルの進化にあわせてモデルチェンジを繰り返し、2021年に日本でデビューした8代目ゴルフにも新しいGTIが追加されることになったのです。
先に断っておきますと、8代目はゴルフの歴史のなかでも転換期にあたるモデルだと私は捉えています。
ドイツ本国では、ゴルフのEV版というべき「ID.3」がすでにデビューしており、Cセグメントのハッチバックはゴルフ8とID.3の2台で受け持つ格好となりました。
それでも、室内が広くて、使いやすくて、経済的によく走って、乗り心地も良好というゴルフの価値は基本的に変わっていません。ただし、ゴルフ8は足まわりに「ガツンッ!」という大入力が加わったときに、ボディのどこかから少し頼りない振動が伝わるようになってしまいました。
この点、どこまでも頑丈だったこれまでのゴルフとは、微妙にキャラクターというか立ち位置が変わっているような気がします。
では、8代目に生まれ変わったゴルフGTIはどうだったのでしょうか?
いまお話しした「ガツンッ!」に関していえば、GTIはそういうクセをほとんど感じさせません。ワインディングロードを心地いいペースで走っているときに路面の大きな段差を強行突破しても、「ドスッ」と鈍い音がするくらいで、不快な振動はほとんど感じられません。
タイヤとサスペンションのマッチングがいいのか、それとも車重の設定が適切なのか、厳密な理由はよくわかりませんが、私にはスタンダードなゴルフよりもGTIのほうがボディがよりしっかりしているように思えました。
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