なぜトヨタ「ハイエース」のキャンピングカーが優勢?「キャラバン」よりもカスタムベースに選ばれる訳

アウトドアブームのなか、キャンピングカーにも注目が集まっています。そんなキャンピングカーのベース車両はトヨタ「ハイエース」が圧倒的に多く、ライバルを寄せ付けないほどです。なぜハイエースばかりが選ばれるのでしょうか。

「ハイエース」は壊れにくい! 絶対的な耐久性が人気の秘密?

 いまアウトドアブームの盛り上がりもあって、「キャンピングカー」への注目度が急上昇しています

 軽自動車から大型バンのキャンピングカーまでさまざまなモデルがあり、ベッドやシンク、トイレなどが装備されたコンプリートカーでなくても、車中泊に不自由ない装備を備えた「キャンパーカスタム」も人気です。

商用でも乗用でも人気のトヨタ「ハイエース」
商用でも乗用でも人気のトヨタ「ハイエース」

 バンをベースとしたキャンピングカー=バンコンに共通することとして、トヨタ「ハイエース」が用いられることが圧倒的に多いという点が挙げられます。

 1967年に初代が誕生したハイエースは、キャブオーバー型のバン/ワゴンとして50年以上の歴史を持っています。

 現行モデル(H200系)は2004年にデビューし、3回のマイナーチェンジとほぼ毎年のようにおこなわれる一部改良によって中身を進化させていますが、プラットフォームなどの基幹部分は20年近くも変わらぬ超ロングセラーモデルです。

 もともと商用車として開発されたこともあって耐久性と積載性に特化させた作りになっており、これが商用はもちろん、釣りやサーフィンなどアウトドアの趣味やキャンプなどの装備の積載に適していることから乗用としても人気となっています。

 一方、ハイエースのライバルとして日産「キャラバン」があります。初代モデルは1973年に誕生。車格もスタイルもハイエースと同等で、現行型は2012年に登場した5代目にあたり、2021年10月にはガソリン車、2022年2月にはディーゼル車のマイナーチェンジが実施されました。

 現行ハイエースより後にも登場したことから作りも新しく、環境にも配慮した燃費基準を達成するなどクルマの完成度としては引けを取っていません。

 キャラバンとハイエースはほぼ同じ装備や車格で、価格差もあまりないのに、なぜキャンピングカーのベースとしてハイエースが圧倒的に支持されているのでしょうか。

 自身もハイエースを所有する、業界関係者のY氏に話を聞いてみました。

「ハイエースの強みは圧倒的な耐久性です。カスタムをするということは全体のバランスを崩してしまうことでもあり、何らかのトラブルを抱えやすいのですが、それでも壊れにくいという絶対的な信頼性がハイエースにはあります」

 ハイエースの使い方やカスタムにはいくつかの特徴があり、商用車として仕事で使うユーザーはもちろん、エアロなどでスポーティに仕上げる外観重視、キャンパー仕様を望む人は内装を重視するという具合です。

 絶対的な耐久性によってさまざまなニーズを受け止めることができる懐の深さにより、キャンピングカーに仕立てるときにも自由度が高いハイエースが選ばれるというわけなのです。

 また、Y氏はハイエースのモデルサイクルの長さが、数多くのカスタムパーツを製作するアフターマーケットには有利に働いているといいます。

「プロショップはオリジナルパーツの開発で生計を立てる部分があり、売れるものを作るのが当然です。

 せっかく開発したパーツが頻繁なモデルチェンジでフィットしなくなってしまえば、開発コストの回収もできません。

 必然的にモデルサイクルが長いモデルのほうがたくさんのノウハウを蓄積でき、パーツの開発もしやすくなるという事情もあります」(業界関係者 Y氏)

 つまり、ハイエースはモデルサイクルが長いからこそ、カスタムやパーツの熟成がより進むということのようです。

 それなら登場から10年が経過するキャラバンも十分にモデルサイクルは長いと思うのですが、そこに影響してくるのがリセールバリューを含めた市場人気。このリセールバリューに関しても、ハイエースの人気はかなり強いのだそうです。

「ハイエースは人気が高くてリセールも期待できるうえに、モデルサイクルも長い。決してキャラバンが劣っているわけではないのですが、性能や新車価格が同等であれば、カスタムのベースとしてもより人気が高いモデルを選ぶでしょう。

 そしてショップ側も人気車種を中心にパーツ開発をおこなうことから、結果として、人気車種のカスタムパーツが豊富に出回り、それがさらにそのクルマの価値を押し上げるという好循環が生まれているのです」(業界関係者 Y氏)

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1件のコメント

  1. キャラバンE25のキャンパーに乗ってたけど窓の取付ボルトの数が不足で窓が欠落したのに保証期間外だったので有料💦
    まぁ日本製ではあり得ないミスですし
    万が一あったとしても100%製造過程のミス以外に考えられん事だからメーカーとしての対応があるんじゃないかなぁ❣
    結局は、自社にミスがあってもそれをフォローする姿勢のある
    日産とトヨタの差でしょうね!

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