なぜトヨタ「ハイエース」のキャンピングカーが優勢?「キャラバン」よりもカスタムベースに選ばれる訳

ハイエースキャンパーに必須のアイテムは何?

 以前のハイエースのカスタムは、ローダウンやエアロパーツ装着など外装重視の傾向が強かったのですが、最近は、外観はほぼノーマルで、内装にこだわりのカスタムを施すキャンパー仕様が人気だそうです。

 実際、キャンピングカーのコンプリートモデル(フルカスタムした状態で販売されるクルマ)の約3分の1がハイエースバンをベースとしており、コンプリートモデルまではいかなくても、車中泊やアウトドアに最適な装備やカスタムをしていくのが現在の主流となっています。

快適に車中泊できるハイエースのキャンピングカー(トイファクトリー)
快適に車中泊できるハイエースのキャンピングカー(トイファクトリー)

「キャンピングカーのコンプリートモデルはやはり高額で、1000万円以上というものもあります。

 そこまで一度にお金は出せないけれど、好きなパーツを選んでコツコツと仕上げていき、最終的に自分の目指すキャンパー仕様に仕立てる人が増えています」(業界関係者 Y氏)

 キャンパー仕様のハイエースで欠かせないアイテムとして、車中泊で快適に過ごすためにも「FFヒーター」は必須だとY氏はいいます。

 FFヒーターはエンジンをOFFにしても稼働でき、かつクルマの燃料タンクから燃料を共有できる別働のヒーターです。

 キャンプ地は冬でなくても気温がグッと下がることが多く、夜間の車内を快適に過ごすためにも外せない装備です。

「キャンプでは、車内で快適に過ごすための寒さ対策と暑さ対策をどう構築するかがポイントになります。

 電源が確保されたオートキャンプ場ならともかく、大自然のなかでは常にエンジンをかけておくわけにもいかないので、そんな状況でも車内を半袖で過ごせるほど暖かくなるFFヒーターは、車中泊には欠かせない装備のひとつです」(業界関係者 Y氏)

 そのほかにも、冷蔵庫と電子レンジはキャンプにあると便利です。ただし冷蔵庫は24時間稼働させるため、かなり電力を消耗するのがネックですが、キャンプでの調理は一大イベント。食材を新鮮に保つためにも、冷えたビールのためにもぜひとも揃えたい装備だそうです。

「もうひとつ欲しい装備は『フラットベッド』です。基本的にハイエースは荷物積載用をバン、4列シートなどで人員運搬用モデルをワゴンと位置付けているのですが、バンでも純正のシートではアレンジしても完全にフラットとはいえません。

 そこで完全にフラットな床面になるフラットベッドを装備する人が多いです。

 最近はボックス型で収納も考えたものもあり、車内の荷物整理と快適な睡眠スペースの確保を両立してくれます」(業界関係者 Y氏)

 ちなみに、多くのキャンピングカーが税金面で安くなるといわれる「8ナンバー(特殊用途自動車)」を取得していますが、キャンパーカスタムでは登録変更するために必要な装備一式を搭載するほどお金をかけるメリットは少ないそうです。

 丈夫で広い車内空間を持つハイエースだからこそ、あまり手をかけなくても十分キャンパーとして活用できるのでしょう。

「個人的には、キャンプする場所によっては悪路を走行することもあるので、燃料費が安く燃費のいいディーゼルエンジンと4WDの組み合わせがおすすめです。

 それにキャンパーカスタムは、自分の手(予算)が出せるところから仕上げていけばいいですし、外観はノーマルだっていいんです。

 そんな振り幅の広さもハイエースの人気の秘密だと思います」(業界関係者 Y氏)

※ ※ ※

 長く乗っても壊れない耐久性と、中古車市場でも安定した人気を誇るハイエースはカスタムしなくても十分楽しめますし、アフターマーケットからリリースされる豊富なパーツを自分なりに組み合わせてカスタムする楽しみもあります。

 ハイエースのキャンピングカーの購入を検討しているのであれば、一度レンタルしてみることをおすすめします。

 自分にとって何が必要で、どんなカスタムにしたいかが見えてくると思いますし、何よりワイドボディのロングなどはかなりの大きさになることから、駐車場での取り回しやサイズ感を購入前に体験しておくのが良さそうです。

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【画像】ゴツ系・レトロ系・アウトドア系も! ハイエース&キャラバンのキャンピングカーカスタムがアツい!(32枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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