なぜ日本で売ってくれなかったの!? 超絶魅力的な欧州専用車3選

国産自動車メーカーが本格的な海外進出を果たしたのは1960年代の終わり頃で、今では各国の市場に合わせた海外専用車を数多く展開しています。そこで、欧州のみで販売された超魅力的な日本車を、3車種ピックアップして紹介します。

魅力あふれる欧州専用の日本車を振り返る

 日本の自動車製造の歴史は110年もの歴史があり、海外への本格的な進出はおよそ50年前からで、当初は日本で販売しているモデルを海外の法規に対応する改良をおこなって輸出していました。

日本でもお馴染みのモデルながら欧州専用で販売されたクルマたち
日本でもお馴染みのモデルながら欧州専用で販売されたクルマたち

 その後、1980年代には海外へ工場を設立し、現地生産を開始。さらに開発拠点も海外につくられ、仕向地のニーズに合わせた車種の開発もおこなわれるようになり、現在は数多くの海外専用車が販売されています。

 そうした海外専用車のなかには、日本でも馴染みがあるモデルながら独自の仕様としているケースと、完全に海外向けに開発されたモデルが存在します。

 そこで、欧州のみで販売された超魅力的な日本車を、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラ コンプレッサー」

スポーツユニットの「2ZZ-GE型」にスーパーチャージャーを搭載した「カローラ コンプレッサー」

 トヨタを代表するモデルである「カローラ」は、1966年に誕生。同年にはオーストラリアを皮切りに輸出され、今では150以上の国と地域で販売する、日本を代表するグローバルカーです。そして、2021年には全世界の累計販売台数が5000万台を突破しました。

 このカローラシリーズには日本で販売されなかった海外専用モデルも数多く、なかでも魅力的な1台が欧州で販売された「カローラ コンプレッサー」です。

 2005年に限定発売されたカローラ コンプレッサーは、日本で2001年に発売された5ドアハッチバックの「カローラランクス」をベースにした高性能モデルで、カローラランクスでは設定されなかった3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2タイプがあり、フロント、サイド、リア、ルーフエンドに専用のエアロパーツを装着。

 エンジンはスポーツユニットの1.8リッター直列4気筒DOHC「2ZZ-GE型」にスーパーチャージャーが追加され、最高出力は225馬力を誇り、トランスミッションは6速MTのみで、0-100km/h加速6.9秒、最高速度は230km/hのパフォーマンスを発揮しました。

 ほかにも車高を15mmローダウンした強化サスペンションに、215/45R17のハイグリップタイヤ、左右2本出しのマフラーなど専用のアイテムで、見た目も走りもスポーティに演出されました。

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●ホンダ「シビック ツアラー」

スタイリッシュなフォルムが特徴で最後のステーションワゴンだった「シビック ツアラー」

 ホンダは1972年に、次世代の大衆車として初代「シビック」を発売。優れた経済性とパッケージングが評価され、国内外でヒット作となりました。

 初代シビックは当初2ボックスの2ドアでデビューしましたが、3ドア、4ドア、5ドア、ライトバンとボディラインナップを拡充し、さらに2代目ではステーションワゴンの「シビックカントリー」が加わりました。

 シビックのステーションワゴンは3代目では「シビック シャトル」となり、1996年に4代目を最後にラインナップから消滅してしまいました。

 一方、欧州仕様では6代目ベースで「シビック エアロデッキ」の名でステーションワゴンが存在しましたが、7代目では廃止となっています。

 ところが、2014年に9代目をベースとしたステーションワゴンの「シビック ツアラー」が欧州専用モデルとして復活。なお、9代目は日本で「タイプR」のみが限定販売されました。

 外観は5ドアハッチバックとイメージを共有しつつボディを延長し、ボンネット先端からルーフ後端まで、ワンモーションのラインを描くスピード感あふれる流麗なフォルムが特徴でした。

 さらにドアミラーからテールランプまでの斜めのラインとルーフサイドのラインによって、サイドビューをよりスポーティに演出し、リアゲートの傾斜角も強く寝かせるなど「スポーツツアラー」をイメージさせました。

 エンジンは1.8リッター直列4気筒ガソリン、もしくは1.6リッター直列4気筒ターボディーゼルを搭載し、トランスミッションはガソリン車が5速ATのみ、ディーゼル車は6速MTが設定されました。

 その後、2017年に10代目が登場するとシビック ツアラーは廃止され、以降はシビックのステーションワゴンは存在しません。

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●日産「プリメーラ 5ドア」

まさにヨーロピアンなデザインでかなり個性的な5ドアハッチバックセダンだった「プリメーラ 5ドア」

 日産は1990年に、新たなFFミドルクラスセダンの初代「プリメーラ」を発売。優れたコーナリング性能と、正統派セダンとしての快適性の両立をコンセプトに開発され、日本だけでなく欧州市場でも高く評価され、ヒット作になりました。

 初代プリメーラの生産は日本だけでなくイギリスでもおこなわれ、1991年にはイギリス製の5ドアハッチバックセダンが輸入・販売されました。

 その後、1995年に初代からキープコンセプトとした2代目が発売され、ボディはセダンに加えステーションワゴン、1997年には初代と同様にイギリス製の5ドアハッチバックセダン「プリメーラUK」がラインナップに加わりました。

 そして2001年には、歴代と同じく主に欧州市場をターゲットとした3代目プリメーラが登場。イメージを一新したスポーティなフォルムのセダン/ステーションワゴンへと変貌を遂げました。

 一方、欧州市場ではイギリス工場製の5ドアハッチバックも存在しましたが、これまで国内の販売状況が良好ではなかったためか日本では販売されず、欧州のみで展開されました。

 5ドアハッチバックセダンの外観は4ドアセダンに準じており、一見すると区別が難しいですが、よりなだらかな角度のテールゲートまわりが斬新かつスポーティなフォルムを演出。後部の意匠もセダンとは異なっていました。

 エンジンは2リッター直列4気筒ガソリンを基本として、欧州独自に2.2リッターのディーゼルエンジンも設定。

 3代目プリメーラは国内で2005年に販売を終了し、欧州では2008年まで販売されましたが、後継車はなく3代目をもって歴史に幕を下ろしました。

※ ※ ※

 世界中の自動車メーカーのなかでも、とくに日本のメーカーは積極的に海外専用車を展開しています。

 開発や生産コストを考えると、本来ならばなるべく世界中で統一したモデルを販売するのが合理的ですが、早期から開発・生産拠点を海外で数多く展開してきたからこそ、可能となったといえるでしょう。

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1件のコメント

  1. シビックツアラーってどことなくジェイドに似ているね
    ジェイド同様に、シビックツアラーもサイドビューが美しい!

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