オールシーズンタイヤってぶっちゃけどうなの? 1年半愛車に装着してわかったホンネの○と×とは

オールシーズンに対する評価はドライバー自身の経験値でも変わる!?

 雪が降る中で信号待ちというケースもありました。そこが少し上り坂で、その途中で止らなければならないときは、下がアイスバーンではなく圧雪の場所で止めるようにします。そうすると発進も楽にできます。

長野県・女神湖の氷上を走行。スタッドレスタイヤよりグリップ限界は低いが、それでもなんとか走ることができた
長野県・女神湖の氷上を走行。スタッドレスタイヤよりグリップ限界は低いが、それでもなんとか走ることができた

 雪が積もった山道でも、路面の状態を読みながら走れれば、スタッドレスタイヤよりグリップが弱くても走ることができます。滑りそうな場面では、アクセルもブレーキもハンドルも丁寧に操作すれば安心して走行できます。

 雪とその下がアイスバーンの上り坂で上れなくなった場合は、チェーン代わりに装着が簡単な「オートソック」などの布製チェーンを付ければ走れます。布製チェーンは軽くてかさばらないため、常に荷室に置いておくと安心です。

 ほとんどのオールシーズンタイヤにはスノーフレークマークが付いていますから、高速道路の規制でもスタッドレスタイヤと同じ扱いで走れます。

 2022年4月1日の朝、群馬県軽井沢のホテルで目が覚めたら、昨夜からの雪が積もっていました。

 もう都会に住む人のほとんどが夏タイヤに換えてしまう時期でしたから、焦った人も多かったでしょう。でもオールシーズンタイヤを装着していたので何の問題もなく走れました。

 夏季は夏タイヤのドライグリップのほうが優るのも事実です。ハイスピードで走る高速道路では、ハンドルのニュートラル付近の締まり感は夏タイヤのほうが良く、オールシーズンタイヤはやや弾性が感じられます。それでも筆者が装着したオールシーズンタイヤは平均的な夏タイヤレベルだったので悪くはなかったです。

 また山道に出かけてワインディングロードを飛ばして走ろうと思うと、ガチッという強いグリップではないので少々もの足りなさを感じます。それでもグリップの変化は穏やかで、グリップ限界付近でも粘りがあるので扱いやすいです。

※ ※ ※

 オールシーズンタイヤをどう評価するかは、ドライバーそれぞれのスキルや立場、ライフスタイルによって変わるかもしれません。

 夏は夏タイヤ、冬はスタッドレスタイヤにはかないませんが、毎日の走行でグリップ限界をフルに使って運転することはそうそうないと思います。ごく普通に流れに乗って走るぶんにはオールシーズンタイヤで夏も冬もまったく余裕を持って走れます。

 ビギナードライバーが初めて冬道を走るときに、雪道が怖いというならスタッドレスタイヤのほうが安全だと思いますが、ある程度経験があるドライバーならオールシーズンタイヤでも問題なく走れるでしょう。

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