国産セダンが消滅寸前!? 原因は「騒音規制」なのか 日本を代表するモデルが姿を消す背景とは

現行クラウンが駆け込み受注!? 一体何があった?

 クラウンは乗っていると静かなクルマながら、車外騒音でフェーズ2をクリア出来ないという。

 次期型クラウンはFFになるという噂も流れている。トヨタのウェブサイトの「納期情報」を見たらクラウンは「詳しくは販売店にお問い合わせください」と記載されているので問い合わせをすると、「セダンモデルについての商談はしていない」とのことでした。

15代目となるトヨタ「クラウン」(現行モデル)
15代目となるトヨタ「クラウン」(現行モデル)

 さらに突っ込んで話を聞くと「お客さまも雑誌などでスクープされている情報を御存知なので隠せないのですけれど、新型クラウンは車幅が広くなるため駐車スペースに入らないということで、現行クラウンの駆け込み受注で大変だったんです。ウチのディーラーの受注枠は既に売り切りました」と販売店はいいます。

 フェーズ2は9月1日の生産から適用されるため、注文受けても作りきれないのだろう。

 フーガやシーマ、スカイラインのハイブリッドも同じで、販売出来るのは8月31日までに工場出荷となった車体のみ。

 しかも昨今の半導体不足や部品調達問題などで確実な生産台数が予測出来なくなってきたので、早めに受注を制限しておかなければならないということです。

 どうしても新車に乗りたいというなら、受注枠を残している地域のディーラーを探すしかない。

 フーガやクラウンのようセダンは今後どうなるのか。

“市民のクルマ”として人気を博したホンダ「シビック」ですら今や車幅1800mmとなる時代に、細長いシルエットのセダンを作って売れるなんて思えない。

 駐車場の関係で幅広のセダンに乗れないというなら、新車だけでなく登録しただけの車両や、走行距離が極めて少ない中古車など含め、手頃な価格で買えるうちに入手しておくべきだと考えます。

※ ※ ※

 参考までに、2024年秋から施行される(既販車は2026年秋)次世代騒音規制「フェーズ3」ではエンジン音だけでなくタイヤのパターンノイズも事実上聞こえなくなるレベルにしなければならず、幅広の高性能タイヤを履かせることは難しいといわれる。

 エンジンで走る高性能車を買えるのは、今から4年後までと理解しておいたほうが良いと思います。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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