「市民のクルマ」第二弾はナニがスゴい? 新型「シビック」電動版 HVでも「ピュアスポーツ」と思える訳
e:HEVは“質”の高い乗り味だが…見た目は…。
今回、e:HEV搭載に合わせてフットワーク系も変更されています。
具体的にはリア周りの剛性アップ(ガソリン車比:ねじれ剛性3%アップ)、ダンパーチューニング、さらにはタイヤ変更(ミシュラン・パイロットスポーツ4)などがおこなわれています。
その走りは「さらに爽快」といった印象です。
具体的には低重心化(ガソリン車比-10mm)や前後重量配分の適正化に合わせてチューニングされたサスペンションとタイヤの選択が絶妙で、回頭性/安定感のバランスやコーナリング時のコントロール性などは、ガソリン車よりもレベルは上です。
一般的にはハイブリッド化でクルマの動きは穏やかな方向になりがちですが、シビックはほぼ変わらず。いや、むしろコーナリング時のバネ上挙動のブレにくさなど安定感は高いと思いました。
それでいながら、荒れた路面を超える際のショックはより優しいうえに、足の動きにシットリ感のある品のよい動きです。
個人的には「ユーロR」や「アブソルート」と呼びたくなるくらい“質”の高い乗り味です。
このように走りの部分は「スポーツハイブリッド」といっていい仕上がりなのですが、問題は「見た目」の部分です。
エクステリアはグロスブラック加飾(フロントグリル/ドアミラー)、リアバンパーガーニッシュ、エンブレム。インテリアはエレクトリックギアセレクター、専用メーター、ディスプレーオーディオのパワーフロー表示と、ガソリン車と比べると間違い探しレベルの“差”しかありません。
ちなみに欧州向けのシビックはe:HEVのみの設定なので、これでも問題はありませんが、日本向けはちょっと問題かと。
正直いってしまいますが、見た目からこのクルマの凄さがまったく感じられないのは、マズいです。
シビックはホンダの世界戦略車で、さまざまな仕向け地にあらゆる仕様が存在します。
それらのアイテムを上手に活用してコーディネイトすれば、独自仕様は作れると思うのですが、早急の対応を期待したいところです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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