『あなたは知ってた?』 渋滞時の救世主! 「付加車線」ってナニ? 上手く利用する方法は?
毎年、連休時に高速道路では各地で渋滞が発生します。そんなときに救世主となる「付加車線」はどのような存在なのでしょうか。
渋滞時の助け舟?付加車線の正しい利用方法
高速道路を利用した長時間のドライブにおいて、渋滞はつきものです。
渋滞にはなるべく遭遇したくないというのが多くの人の本音ですが、そのような渋滞時の対策方法のひとつとして「付加車線」というものが存在します。
どのように活用するのが正解なのでしょうか。
高速道路には渋滞が起きやすい場所が存在しています。
NEXCO東日本のホームページには、「クルマのスピードが低下しやすい上り坂や合流部付近、また追越車線で渋滞が発生しやすい」と説明。
実際に、東名高速道路の横浜町田インターチェンジ(以下IC)と海老名ジャンクション(以下JCT)の間にある大和トンネルは、渋滞が起こりやすい場所として知られています。
そんな大和トンネルでは、2021年7月14日に拡幅工事が完了し、上り線およそ3km、下り線およそ2kmとなる「付加車線」の一部運用が開始されました。
そもそも付加車線とは、自動車専用道路および高速道路の侵入部や合流部における、本線の側道部のことを指しています。
この付加車線という名称ですが、前述した大和トンネル付近のように付加車線と説明されている場合もあれば、東海環状自動車道(土岐JCT〜美濃加茂IC)では、「4車線化」や「付加車線」、新名神高速道路(大津JCT〜亀山西JCT)では「6車線化」と記載されています。
すべて同様の目的をもつ車線ですが、付加車線は、4車線化や6車線化とは異なり、IC間やJCT間における区間すべて車線を増やしたものではなく、一部のみで車線を増やしているものに限定されます。
そんな付加車線の最大の目的は、区間における交通の容量を増加させ、より多くのクルマがスムーズに高速道路を走行できるようにすることです。
しかし、付加車線の活用方法はまだ広く認知されておらず、結局、うまく活用されないままとなってしまっているのが実情です。
付加車線の正しい使い方とは、一体どのようなものなのでしょうか。
NEXCO中日本の担当者は、付加車線の活用方法について「低速に運転する必要があるトラックや、ゆっくり走行しているクルマなどが付加車線を利用することによって、交通をより円滑に進めることができます」と話します。
渋滞は、走行車線での慢性的な車両の減速化によって、車間距離が狭まることで起こりやすくなっています。
そこで、スピードを落として走行する必要があるクルマが付加車線を走行することによって、走行車線が比較的スムーズに流れ、渋滞予防へと繋がります。
前出の担当者は、付加車線を実際に設置したことによって、実際に渋滞が緩和されたのかという点について、「もともとコロナウイルスの影響も受け、交通量の母数が少なくなっているため確実な分析はできませんが、少なからず効果は出始めていると考えています」とコメントします。
前述したように、多くの人が付加車線の正しい活用方法を知らないがゆえに、結局使用せず、渋滞が変わらず発生してしまうというのがいまの現状といえます。
付加車線の使い方を改めてよく知ったうえで正しく活用することによって、さらに渋滞時における付加車線の効果は大きくなることが期待されます。
そうして付加車線の効果が広く認知されれば、今後もさまざまな渋滞地点で対策のひとつとして付加車線が設けられ、各道路における渋滞も緩和されるかもしれません。
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ちなみに、基本付加車線は左側に設置されており、追い越すことを目的に使用することはできません。
道路交通法第28条には追い越しの方法について、「車両は他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければならない」と説明されています。
付加車線を利用して前を走行しているクルマを追い越してしまった場合には、上記の違反に該当するおそれがあるため、追い越しはしないようにしましょう。
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