見た目は「カーナビ」中身は「オーディオ」!? 普及が進む「ディスプレイオーディオ」ってホントに使えるの?
安価が魅力でも、TVや動画を見るには別料金が必要
ディスプレイオーディオ最大のメリットともいえるのが「通信により最新の機能や情報が提供される」ことです。例えば地図アプリの場合は、地図データなどが頻繁に更新されるため新しく開通した道路もきちんと表示されます。
ただし、これは「通信量、通信費の増加」というデメリットと表裏一体。
常に通信しながら地図を表示していることもあり、事前にWi-Fi環境下で地図をダウンロードしておくなど工夫をしないと、スマホの契約プランのデータ通信量をオーバーしてしまうこともあります。

地図アプリの不満といえば、自車の位置表示をスマホのGPS機能と電話基地局や中継局からの通信に依存しているため「高層ビルに囲まれた都市部やトンネル内など電波や信号の弱いところで精度が落ちる」(50代・男性)という意見もありました。
これについては専用のGPSアンテナを用意する機種や、ジャイロセンサーや車速パルスを利用する機種なども登場しているので、本体の買い替えやハードの追加などは必要になりますが、将来的に解決されることでしょう。
ほかにもデメリットとして挙げられたのが「映像系のコンテンツが楽しめない」(20代・男性)という不満です。
TVチューナーやCD/DVDプレイヤーはオプションで追加できる機種もありますが、「価格の安さがディスプレイオーディオの魅力のひとつだから、あれこれ足して高額になるのは本末転倒」(40代・男性)という厳しい声も。
また、Apple CarPlayやAndroid Autoは安全面への配慮からYouTubeなどの動画アプリに対応していませんが、この対策として「サードパーティ製の製品を接続して見ている」(30代・男性)というユーザーも多いようです。
同じくサードパーティ製の製品に頼る人が多いのが、ディスプレイオーディオとスマホのワイヤレス接続化です。
マツダの「マツダ2」や「CX-3」に設定されるオプションなど、Apple CarPlayのワイヤレス接続に標準対応する機種もありますが、ほとんどは有線接続で「乗り降りのたびにケーブルに接続するのが面倒」という意見も少なくありませんでした。
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カーナビの元祖は1981年にホンダが「アコード/ビガー」に初搭載した「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」だといわれており、その後1990年代に浸透し2000年代に携帯電話との連携を強化しながら発展してきました。
一方でディスプレイオーディオの歴史はまだ浅く、発展途上にあるといえるでしょう。
そのため細かいところで「もう少し」という注文もあるかもしれませんが、カーナビのように進化を遂げ、いっそう満足できるシステムとなるはずです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。






















