なぜ全長5m超ホンダ「オデッセイ」販売? タフ顔「CX-50」に羨望の眼差し! 何かが違う北米専用仕様とは
北米市場は「世界戦略車」に不満タラタラ?
もちろん、各市場のニーズに合わせたクルマづくりができれば、それに越したことはありません。
しかし、それぞれの市場に合わせてクルマを開発すると、コストが膨大になってしまい競争力のある価格で販売できないという問題が生まれてしまいます。
製造業では、ひとつのモデルを大量生産したほうが1台あたりのコストは下がるのが一般的であるため、日本仕様のオデッセイを、北米でも販売したほうが、より安価にできる、もしくはより利益率が高くなるといったメリットがあります。
そのため、基本構造が共通したクルマを開発し、それをもとに各地域のニーズに合わせて装備などを調整するという方法が現在主流となっています。
そこで、2010年ころから現在にかけてトレンドとなっているのが、世界の各市場で共通したクルマを販売する「世界戦略車」という考え方です。
厳密にいえば、内外装のデザインや各種機能などは販売する市場によって調整していますが、基本構造を共有することで大きなコストメリットを生むことができることから、2010年代には多くの自動車メーカーから「世界戦略車」が登場しました。
「世界戦略車」は、各市場のニーズを取り込んだ最大公約数的なクルマですが、グローバル化が進んだ現代では、日本や欧州、北米などの主要市場のニーズはかつてに比べて均一化してきたことを追い風にし、多くのヒット車種を生み出しました。
前述のCX-5も、そんな「世界戦略車」のひとつです。
日本と欧米は、クルマに対する志向が比較的近いため、「世界戦略車」の登場によって大きな問題は起こりませんでした。
しかし、北米市場ではそんな「世界戦略車」に対して不満も募っていたようです。
その最たるものが全幅の小ささです。日本や欧州の都市部における交通事情を見ると、全幅が1800mmを超えるようなクルマはやや不便さを感じるものですが、一方で広大な敷地をもち、古くから自動車を中心とした街づくりがなされている北米では、1800mmという全幅では窮屈さのほうが勝ってしまいます。
そこで、北米市場向けのワイドボディ車が求められるわけですが、いくら北米が世界有数の自動車販売市場といえど、専用車の開発をおこなうことには相応のリスクがともないます。
しかし、北米市場を重視するホンダやマツダは、北米専用、あるいは北米を強く意識したクルマの開発が推進されたと考えられます。
ただ、こうした背景には、北米市場の景気が長期にわたって上昇トレンドにあることと無関係ではありません。
そういった視点で日本を見ると、本当の意味での「日本専用車」というのは年々消えつつあります。
限られた予算でつくられた「日本専用車」よりも、潤沢な予算でつくられた「世界戦略車」のほうがクルマとしての仕上がりは良いかもしれません。
しかし、どこかに残念さを感じざるを得ないのもまた事実です。
※ ※ ※
日本には多くの自動車メーカーが存在していますが、そのほとんどは世界中でビジネスをおこなうグローバル企業です。
「日本のメーカーなら日本人のためのクルマを」と思うのが人情というものですが、実際にはそう甘いものではないようです。
北米市場が儲かるからと、アメリカ市場の好みに引っ張られて
日欧で売る車までデザインが変な感じになっていく風潮、嫌です。
もうホンダはいすゞの日本乗用車部門の二の舞になってしまえ
だから[日本専用車]の軽自動車が市場の半分を占めるようになる。
日本市場をメインで作られているのは軽、5ナンバーコンパクトカー、ミニバンくらいか
まあ、多くの販売台数を見込めないから日本専売車種が減るのは仕方ないよね