1000万円超えの国産「最高級SUV」は何が進化? ランクルとは違う個性強調! レクサス新型「LX」の特徴はいかに
誰でもオフロードを走れる凄さとは
オフロードはモーグルや急こう配、岩山、車幅+αの細い道など、さまざまな難所が用意されたコースですが、試乗日は何と季節外れの雪で路面はヌタヌタ、オフロード走行には打ってつけのコンディションです。
ここではOFFROADとEXECUTIVEに試乗しましたが、どちらも路面状況に応じてブレーキ油圧、駆動力、サスペンションを統合制御するマルチテレインセレクトはAUTOで走行。
実は走行後の正直な感想は「このコース、いう程厳しくないよね?」でした。
ただ、降りて自分の足で進んでみると、歩くのがやっとという場所ばかり。つまり「クルマが凄かったのね」ということになります。
つまり、基本素性の刷新による接地性の高さやショック/揺れの少なさ、制御デバイスの緻密な作動や応答性の速さ、キックバックの少ないステアリング、アイドリング+αから湧き出る駆動力、マルチテレインモニターの見え方の工夫などなど、さまざまな支援デバイスの相乗効果により、オフロードを「誰でも」、」「楽に」、「安心して」走れるのです。
そういう意味でいうと、新型LXの最大の欠点は、「過酷な道が、過酷に感じない」という事かもしれません(笑)。
新型LXはオンロード性能/オフロード性能を高次元で両立させているだけでなく、どちらのシーンで走ってもレクサスらしさを実感できる魅力が備えた一台だと感じました。
つまり「世界のどんな道でも楽に、上質に」というコンセプトにウソ偽りなしです。
先代はレクサスの名を冠しているも良くも悪くも別格の存在でしたが、新型は正真正銘レクサスファミリーの一員になったのかなと。
恐らく「歴代LXを知っている人」、「初めてレクサスのフラッグシップSUVを選ぶ人」、どちらも満足させることができるポテンシャルを備えています。
個人的には「EXECUTIVE」の内装に惹かれるものの、オン/オフのバランスの取れた走りとこれまでのレクサスにない渋いエクステリアの「OFFROAD」が面白い選択かなと。
その一方、いくつか課題があるのも事実です。
とくにインテリアの操作系に関しては「新世代レクサス」と謳う以上、NXとの統一性は必要だと思っています。
細かいことかもしれませんが、プレミアムブランドは「メッセージ性が重要」、「神は細部に宿る」と思っているので。
とくにLXは、ほかのレクサスモデルより確実にモデルライフが長いので、今まで以上に「Always On」の精神で進化・熟成に期待したいところです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
グリルデザイン、ここまで来ると虫の腹みたいでなんかイヤだな。
せめて縦にして。
いまや初老のガンダム世代にウケたガンダムデザインのように、平成ライダー世代なんかに受けが良いのだろうか。