昭和感ヤバい!日産「スカイライン暴走仕様」お披露目? 竹槍&出っ歯スタイルがイマなお人気? R30が異国でも愛される存在に

2022年3月タイでは「バンコク国際モーターショー2022」が開催されています。基本的には新車のお披露目イベントですが、なにやら昭和感スゴい「スカイライン」がお披露目されていたようです。

タイではR30スカイラインが暴走仕様になっていた

 タイの首都バンコクで開催されている「バンコク国際モーターショー2022」。
 
 それは自動車メーカーがブースを並べる新車中心のイベントですが、会場を歩いていると日本で開催される東京モーターショーとの違いも感じます。

昭和感ヤバすぎ! 日産「スカイライン(R30)」をベースにしたボーソースタイルがバンコク国際モーターショー2022でお披露目された
昭和感ヤバすぎ! 日産「スカイライン(R30)」をベースにしたボーソースタイルがバンコク国際モーターショー2022でお披露目された

 それは、カスタマイズカーの多さ。日系メーカーのブースにはトヨタの「GR SPORT」や「モデリスタ」、三菱の「ラリーアート」、ホンダの「モデューロ」などエクステリアにドレスアップを施した車両が多く並び、まるで「東京オートサロン」のような雰囲気もあるのです。

 なぜそういったカスタマイズカーが多く並ぶかといえば、現地での人気が高いからにほかなりません。

 タイの人々はクルマ好きかつドレスアップ熱量も高く、各メーカーもそれに応えるべくパーツやコンプリートカーを設定。

 モーターショー会場に並ぶカスタマイズカーは基本的にカタログモデル(特別仕様車扱いを含む)もしくは販売店で装着できるアクセサリー品を組付けた、誰でも購入できる車両なのです。

 しかしショー会場では、それらと一線を画する日本車のカスタマイズカーも見かけました。ブースのスタッフは「ボーソースタイル」と説明します。

 どんな仕様かは、写真を見れば一目瞭然でしょう。

 日産「スカイランR30型」をベースにした暴走族仕様(族車)です。

 つまり「ボーソー」とは日本語をルーツとする言葉ですが千葉県の「房総」ではなく、「暴走」のこと。ジャパニーズカルチャーのひとつなのです。

 ワイド化されたボディはかつて日本で盛り上がったレースの「スーパーシルエット(グループ5)」をモチーフにしたと思しきワイドフェンダーを装着。

 さらに「竹やり(竹のように上へ伸びた排気管)&出っ歯(前へ大きく突き出したフロントスポイラー)」を組み合わせて見るからに暴走族の車両としています。

 細部もオイルクーラーにはじまりボンネット左右のフィン、リアオーバーハング下に上下逆さに取り付けたリアスポイラーなど、当時のポイントをしっかり押さえたうえに、星形のフォグランプや各種ステッカーまで本当に凝った作り。仕上がりの美しさにも驚きました。

 もちろん、この車両はさすがに自動車メーカーのブースに置かれたものではなく、アパレルやミニチュアカーなどを集めた「ROD」というセレクトショップに飾られていたものです。

 そのブースは日本の自動車カルチャーを前面に押し出した展開で、このR30スカイラインのほかにもトヨタ「ランドクルーザー(70型)」やホンダ「スーパーカブ」などもビールケース(しっかりと日本のビール銘柄)などを積んで日常感を演出したうえでディスプレイされていました。

 また、旧車に話を移すと、日産のブースにはハコスカのGT-Rを展示。どこまでレストアされているのかは不明ですが、驚くほどきれいな状態を保った個体でした。

 タイの富裕層のなかには、最新の高額車を持ついっぽうで、古いクルマにお金をかけてコンディションを維持しつつ所有するカーマニアも少なくないようです。

 いずれにしろ、異国の地バンコクで日本の自動車文化がリスペクトされているのは日本のクルマ好きの1人としてうれしく思いました。

 同時に暴走族も日本の自動車カルチャーのひとつとして認知されていることに驚かずにはいられません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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2件のコメント

  1. これは、鉄仮面ではありません。鉄仮面とは、グリルが無く、その部分までボンネットだった、次のスカイラインです。良く調べてから、書いてください。

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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