「ガチンコ勝負」開幕! トヨタとスバルが「協調&競争」でカーボンニュートラルに挑む! 両社がモータースポーツでクルマを鍛えるワケとは
まさかのサプライズ!? スバル中村社長からトヨタ豊田社長にレーシングスーツのプレゼント!
ちなみに鈴鹿に持ち込まれたGR86/SUBARU BRZには“協調”を象徴するアイテムが装着されています。
それはリアウィンドウに貼られた「意志ある情熱と行動」のステッカーです。
これは自動車工業会の豊田章男会長が常日頃から語っている言葉ですが、スバルから「非常にいい言葉なので貼っていいですか?」と豊田会長にお願いをすると、「スバルさん、その思いを大切にしましょう。是非貼ってください」と快諾。
すると今後はそれを見たGRから「我々のマシンにも貼らせて欲しい」とスバルにお願いがあり提供を受けた……というエピソードが。
この辺りは「戦いはガチンコだが、カーボンニュートラルへの思いは一緒で共に走る」という意味でしょう。
さらに記者会見の後にサプライズがありました。
実は昨年の岡山の記者会見でスバルの参戦発表を受け、モリゾウ選手が「中村社長にはモリゾウをスバルで使ってくださいと提案していますが、相手にしてもらっていない」という笑話に応える形で、モリゾウ選手用のスバル柄のレーシングスーツが送られました。
これは「スバルは無視していませんよ」という中村社長の反論だったのかもしれません(笑)。
スーツをいただいたモリゾウ選手はどことなく嬉しそうな表情で、筆者(山本シンヤ)の質問に「いつBRZに乗せてくれますかね? 明日(=決勝日)に着てきましょうか?」とまんざらではない様子でした。
この辺りからも、トヨタ/スバルの関係性の良さが解っていただけると思います。
トヨタ/スバルに加えて、マツダも加わった「カーボンニュートラルへの挑戦」と「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」。
実はS耐の規則書には「環境に配慮しながらモータースポーツ社会の発展」、「培ってきた知識・技術を未来のモータースポーツや自動車産業に繋げる」、「モータースポーツを次の時代に繋げる」というS耐シリーズの理念が掲載されています。
今シーズンの顔ぶれに、筆者は「この時代がやってきた!!」と感じています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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