スバルSUV「フォレスター」と新型「アウトバック」を徹底チェック! 先進装備や雪国性能、燃費などの実力は?
スバルのSUVとしてラインナップされる「フォレスター」と「アウトバック」。それぞれどのような人に向いているのか、1000kmを超えるロングドライブを通じて、両車の特徴を徹底比較しました。
フォレスターと新型アウトバックで雪国へロングツーリング
スバルはもともと車種数が少なく、ラインナップは少数精鋭ですが、そのなかでもとくにSUVに力を入れています。
そんなSUVラインナップのなかで、ミドルサイズの「フォレスター」とフラッグシップの「レガシィアウトバック(以下アウトバック)」は比較対象となるモデルですが、それぞれの違いはどのようなところにあるのでしょうか。
フォレスター(アドバンス)と新型アウトバック(リミテッド EX)を連ねて、雪国(山形県)までの往復1000kmを超えるロングツーリングに出かけてきました。
それを通して感じた、フォレスターとアウトバックの特徴をお伝えしましょう。
まず走り始める前に感じた両車の違いは、荷室の広さと乗降性でした。
フォレスターの全長4640mm×全幅1815mmに対して、アウトバックは全長4870mm×1875mmと車体の大きさが異なりますが、荷物を積み込もうとテールゲートを開けると荷室にも違いがあることを実感。
VDA計測におけるフォレスターの荷室容量が509L(SPORTは520L)なのに対し、アウトバックの床上は522Lと容量自体も異なるのですが、それ以上に積載性に差をつけていると感じるのが荷室の床の広さです。
荷室フロア長(後席使用時)はフォレスターの908mmに対してアウトバックでは1086mmと約18cmも長く、その違いは想像以上。レジャーや帰省などたくさんの荷物を積んで出かけるときには、新型アウトバックのゆとりが役立ちそうです。
対するフォレスターは、新型アウトバックに比べると奥行よりも高さで荷室を稼ぐ空間作りといえます。
荷物を積み終えて運転席へ乗り込む際には、地面に対する着座位置がフォレスターよりも20mmほど低い新型アウトバックのほうが“上がる感覚”が少なくて身体の動きが楽。これは助手席や後席も同様の印象です。
着座位置は低すぎても乗降性の悪化につながりますが、新型アウトバックの高さはちょうど良い塩梅といえるでしょう。
ドライビングポジションは、フォレスターのほうが「ヒール段差」と呼ばれる床と高低差を多くとった着座位置に高く座る、SUVらしい姿勢となります。新型アウトバックはそれとは対照的にヒール段差が低く、セダンと同じ感覚。
これは優劣というよりは好み次第で、フォレスターの見晴らしの良さに魅力を感じる人もいれば、新型アウトバックの低めに座るドライビングポジションのほうが落ち着く人もいるのではないでしょうか。
一方の後席は、車体サイズの違いをダイレクトに反映しており、大きな違いは膝回りスペースの空間です。
新型アウトバックはフォレスターに対して3センチ弱も広く、座った瞬間に誰もがゆとりを感じられるに違いありません。後席に座っての移動は新型アウトバックのほうが快適性は高いといえます。
高速道路を使っての移動では、運転支援システムの機能差を感じました。いずれも「アイサイト」を標準装備しており、フォレスターも2021年秋のマイナーチェンジからカメラや制御を大幅アップデートした「新世代アイサイト」へと進化しています。
ACCの滑らかな制御はどちらも共通ですが、新型アウトバックには高速道路での高度運転支援システム「アイサイトX」が搭載されており、この機能に含まれる「アクティブレーンチェンジアシスト機能」が便利です。
これはドライバーがウインカー操作で合図するだけクルマが自ら車線変更する機能なのですが、制御が滑らかでついつい頼ってしまいました。
また、高速道路での渋滞時(50km/h以下)でハンドルから手を放しての運転ができる機能(渋滞時ハンズオフアシスト)も搭載。
ハンズオフアシストはいうまでもありませんが、アクティブレーンチェンジアシスト機構も交通量の少ない高速道路では想像以上に便利なアイテム。アイサイトXの機能は運転の疲労を軽減してくれることを実感しました。
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