スバルSUV「フォレスター」と新型「アウトバック」を徹底チェック! 先進装備や雪国性能、燃費などの実力は?
スバル車らしい雪国性能を発揮! 両車の実力は?
雪国へのツーリングでは、スバルのSUVとしてフォレスターと新型アウトバックに共通している部分も多く感じました。
たとえば電気毛布のように身体を温めてくれるシートヒーターは一度使うと手放せない快適装備ですが、運転席と助手席はフォレスターも新型アウトバックも標準装備。
フォレスターのベーシックグレード「ツーリング」を除き、後席左右席のシートヒーターや、ハンドルを温めるステアリングヒーターも標準採用しています。
それらを上級グレードだけでなく幅広いグレードに採用するのは、雪国のユーザーへのスバルの配慮といえるでしょう。
雪国への配慮といえば、寒冷地に行くとフロントワイパーのガラスへの凍結を解かすワイパーデアイサーや、ヘッドランプに付着した雪を除去するヘッドランプウォッシャー、ドアミラーの凍結を解かすヒーテッドドアミラーなどのありがたさも実感します。
フォレスターや新型アウトバックにはそれらを全車に標準装備するのもスバルのこだわりであり、さらにいえば「インプレッサ」の一部グレードとFRスポーツカーの「BRZ」を除けばAWDを標準とする姿勢もスバルらしいといえるところ(OEM車除く)。
これは車両か価格ではライバルに対するハンデとなりますが、「それよりも走行安定性と安全性」というスバルのこだわりなのです。
また、フォレスターは220mm、新型アウトバックは213mmという最低地上高もモノコックボディのSUVとしては異例の高さ。これは轍(わだち)をまたぐ際や路肩に積まれた雪を乗り越えて道路から駐車場に入る際(もちろんその逆の状況も然り)なども雪道で大きなメリットとして実感できます。
加えて、雪道や悪路でスタックからの大出性能を高める「X-MODE」も両車に共通する機能です。よほどの悪路でないと使う機会はほぼないかもしれませんが、スタックする確率が高まる雪道では心強い装備となるでしょう。
フォレスターと新型アウトバックは車体サイズやパッケージングなどで違いがあるものの、雪国での性能はどちらも高い水準にあることを今回のドライブで改めて認識しました。
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では、フォレスターと新型アウトバックはそれぞれどんな人に向いているでしょうか。
SUVらしい着座位置の高い運転感覚や見晴らしの良さを重視するならフォレスターがマッチします。フォレスターは子育てファミリー層からの人気も高いですが、運転しやすいサイズの車体に実用的な後席スペースや荷室を備えたパッケージングもその大きな理由でしょう。
一方で、後席や荷室の広さ、乗り降りのしやすさ、セダンライクな運転ポジションを求めるなら新型アウトバックがオススメです。高速道路の渋滞では手放し運転ができるなど、先進の機能を備えるのも魅力的な部分といえます。
ちなみに、高速道路走行が全体の9割ほどとはいえ1000km以上を走っての実燃費はどうだったのでしょうか。
2リッター自然吸気エンジン+モーター(e-BOXER)を搭載するフォレスターが14.3km/L、1.8リッターターボエンジンを積む新型アウトバックは13.2km/Lと、どちらもカタログに記載されているWLTCモード燃費を超える実力でした。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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