登場から15年たっても日産「GT-R」はなぜ人を惹きつける? 日本が誇るスーパーカーの魅力とは
「匠」が手組みするこだわりのエンジンを搭載
GT-Rの魅力のひとついえるのが、日産がこれまで築き上げてきた技術と英知を結集させていることです。
デビューから15年が経とうとしていても毎年のように改良が加えられ、世界の高級スーパーカーに負けないパフォーマンスを発揮。その事実だけでも、クルマとしての完成度がいかに優れているかがわかるというものです。
また海外のスーパーカーと比較して、圧倒的な信頼性と実用性の高さを併せ持っていることも魅力です。
走行性能を引き上げるために軽量化・小型化させるのもひとつの方法ですが、GT-Rは大人がしっかり座れる4シーターを採用。
また標準仕様でも570馬力ものハイパワーを発揮することや、この類のモデルとしては比較的悪くない7.8km/L(WLTCモード)という燃費性能も持ち、開発コンセプトどおりに「誰でも普段使いできるスーパースポーツ」に仕立てられています。
また、3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジン「VR38DETT」は、「匠」と呼ばれる4人の熟練工がひとつずつ手組みしていく「セル生産方式」を採用。
製造ラインでの流れ作業ではできない高い精度の組み立てと、厳しいチェックを経て、初めて搭載されるこだわりぶりです。
そして、エンジンには組み立てた匠の名前が刻まれたプレートが装着されという、特別感を感じられる演出もあります。
このエンジンのパワーを余すところなく路面に伝えるのが、通常はFRに近い駆動力配分を走行状態に応じて前輪にも分配する4WD機構「アテーサE-TS」です。
さらに、トランスミッションはMTよりも速いギアチェンジを実現させた6速DCTを搭載し、通常のAT感覚での走行も可能にしました。
そして、GT-R最大の魅力といえるのが、元NISMOチーム監督の水野和敏氏主導で開発されたヒストリーなど、日産にとどまらず、日本のモータースポーツを凝縮したかのような技術が詰め込まれた「Made in JAPAN」のスーパーカーであることでしょう。
初期モデルは、徹底したコストダウンにより777万円からというプライスを実現しましたが、現在ではベーシックなモデルでも1000万円を超え、最新型の特別仕様車「GT-R NISMOスペシャルエディション」はとうとう2464万円まで高額化しています。
しかし、GT-Rのスペックを考慮すれば、それでも良心的とすらいえるもの。日産が本気で作り込んだ1台は、世界的に見ても稀有な存在です。
確かに誰もが手が届く価格ではありませんが、570馬力のモンスターマシンを購入するということは、それだけの動力性能を扱う責任と経済力を併せ持ってなければいけません。
そのぶんリセールバリューが高いのも事実。状況が許すなら、買っておいて損はないモデルだといえます。
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次期型GT-Rの情報はまだありませんが、おそらく純粋なガソリンエンジンによるハイパワーモデルはこれが最後になるのではないかといわれています。
レクサス「LFA」ほど未来的でなく、ホンダ「NSX」のような先進感はなくても、ちょっと無骨なスーパーカーは、今後も愛されていくでしょう。
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