高性能車の証「ミッドシップ」はなぜ減少傾向? じつは軽にも採用例が多いMRのメリット・デメリットとは
ミッドシップは軽自動車でも採用例が多い
高性能なスポーツカーに採用されることが多いミッドシップですが、過去を振り返ると、意外にも軽自動車での採用例が多いエンジンレイアウトです。
S660はスポーツカーとしての走行性能向上のためにミッドシップを採用。ほかにも、軽トラのホンダ「アクティ」やこのアクティをベースにした「Z」、三菱「i(アイ)」などがミッドシップを採用しています。
とくに車重が軽い軽自動車のスポーツカーの場合、いかに駆動輪のトラクション性能を上げるかが課題でした。
またエンジンの振動についても、フロントにノーズのない軽トラはエンジンの搭載位置が運転席に近くなるため、ステアリングに伝わる振動や熱などへの対策としてMRが採用されたということが考えられます。
また、三菱 アイは、スタイリングの自由度と重量バランスの改善を考慮してミッドシップを採用。
前方にエンジンがないためフロントサスペンションも自由度が高くなり、タイヤの切れ角が大きくできて最小回転半径も4.5mと、かなり小回りが効くモデルでした。
では、実際にミッドシップ車の元オーナーはどんな印象だったのでしょうか。
かつてトヨタ MR-Sに乗っていたFさん(50代・男性)は、ミッドシップが欲しかったというより手頃なオープンカーとして購入したといいますが、気難しさはあまり感じなかったそうです。
「先代にあたる2代目『MR2』と比べると、挙動はマイルドでした。上り坂などではフロントの接地感がなくてちょっとヒヤヒヤしましたけど。
それでも1トン前後の軽量ボディとミッドシップらしいシャープさでキビキビと走ってくれたのを覚えています」
完全な2シーターで不便さなどは感じなかったのでしょうか。
「その前にも2シーターオープンを所有していたので、あまり違和感や不便さはなかったです。
それまで乗っていたオープンカーはFFベースだったので、ミッドシップならではの特性をつかむまで少し時間がかかりましたし、雨の日はちょっと扱いが難しいと感じたこともありましたが、普通に走っている限りは扱いが難しいというほどでもなかったと記憶しています」
ホンダ「ビート」を所有していたTさんは、運転自体は楽しかったものの、前後でサイズが違うタイヤなどメンテナンスや維持が多少面倒だったといいます。
「ミッドシップならではのフロントノーズの軽さと低さ、軽快感は独特でした。コーナリング特性にも少しクセがありましたね。
シート後方に横置きされたエンジンの整備性が良くなくて、安いパーツでも交換すると工賃が高くなるというジレンマがあったのも事実です。
良くも悪くも、ビートは実用性よりもミッドシップレイアウトを優先させた部分もあるでしょうし、贅沢な作りだからこそ味わえる世界観がありました」
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ミッドシップは、クルマに求められる実用性を犠牲にしてでも実現させるべき魅力がありました。
とくにスポーツカーのジャンルでは、重量物を中心に配置することで旋回性能を引き上げる狙いも大きかったといえますが、現在ではFFでも十分な性能を得られることから、ミッドシップはさらに希少になっていくでしょう。
今後EV化が進みエンジンではなくモーターに置き換わるとミッドシップと呼ばれるようなレイアウトはなくなるのかもしれませんが、エンジンをすぐ後ろに感じる独特のフィーリングは、一度は体験してみてほしいと思います。
>>現在ではFFでも十分な性能を得られることから、ミッドシップはさらに希少になっていくでしょう。
そんなにFFが顔幅を利かせてる現在ならさぞリアドアなんかいらないと割り切ったFF2ドアクーペの新車がFRクーペすらも凌駕する数で大量に販売されてるんでしょうな()
アクテイ乗ってるけど、ミッドシップ気持ちいいぐらい坂とかも走るし何より80とかでも気持ちよく曲がる。軽でこれだからやばい。
機会があれば乗ってみて欲しいです!