「売れないジンクス」に挑戦!? かなりイケてたコンパクト5ドアハッチバック車3選

日本でクルマにまつわるジンクスのひとつに「5ドアハッチバック車は売れない」が、ありました。実際、昭和から平成の時代には、セダンベースの5ドアハッチバック車が人気となったケースはほとんどありませんでしたが、果敢に挑戦したモデルも存在しました。そこで、かなりイケてたコンパクト5ドアハッチバックを、3車種ピックアップして紹介します。

売れないジンクスがあっても果敢に挑戦したクルマを振り返る

 かつて日本の自動車市場では、セダンベースの5ドアハッチバック車は売れないというジンクスがありました。実際、1970年代から2000年代くらいまで、多くの5ドアハッチバックが「出ては消えて」を繰り返し、ヒットしたケースはほとんどありませんでした。

「売れないジンクス」に果敢に緒戦した5ドアハッチバック車たち
「売れないジンクス」に果敢に緒戦した5ドアハッチバック車たち

 5ドアハッチバック(セダン)を振り返ってみると、ステーションワゴン並みのユーティリティと、セダン並みのドライビングプレジャーを併せ持つ、かなりの優等生キャラだといえます。

 そのため、欧州では古くから5ドアハッチバックが人気で、国産メーカーも欧州専用に5ドアハッチバックを設定するケースもありました。

 今でこそ売れないジンクスは消滅しましたが、かつてはそんなジンクスに果敢に挑戦していたクルマも存在しました。

 そこで、かなりイケてたコンパクト5ドアハッチバックを、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱3代目「ランサー」

高性能エンジン+4WDというハイスペックなモデルだった「ランサー GSRターボ」

 三菱「ランサー」というと、今では「ランサーエボリューション」シリーズに代表される高性能な4WDマシンというイメージが定着していますが、その前身となったモデルが1988年に登場した3代目です。

 3代目ランサーはプラットフォームや主要なコンポーネンツを3代目「ミラージュ」と共有する姉妹車として開発されました。

 ミラージュのボディが3ドアハッチバックと4ドアセダンだったのに対し、ランサーはスタイリッシュなフォルムで「アクティブセダン」と呼称された5ドアハッチバックセダンを採用していました。

 トップグレードの「GSRターボ」にはFFの2WDとビスカスカップリング付きセンターデフを用いたフルタイム4WDの2タイプを設定し、エンジンは最高出力145馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHCターボを搭載。

 なかでもFFのGSRターボには、ダンパーの減衰力とスタビライザーの特性をスイッチひとつで切り替え可能で、操縦安定性重視の「スポーツモード」と、乗り心地重視の「ツーリングモード」のふたつのモードを選択できる「デュアルモードサスペンション」を採用するなど、先進技術が投入されました。

 一方、4WDの方はランサーエボリューションの礎になったといえますが、リアサスペンションはすでに時代遅れとなっていた5リンク式リジッドアクスルを採用していたことからも、まだ発展途上のモデルだったことがうかがえます。

 その後、1991年に4代目が登場し、ボディは4ドアセダンとなり、ランサーエボリューションの誕生につながりました。

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●日産4代目「パルサー 5ドアセダン」

ヨーロピアンな雰囲気ながら人気とはならなかった「パルサー 5ドアセダン GTI」

 かつて、日産のエントリーモデルのひとつとしてラインナップされていた「パルサー」は、1978年に初代が誕生しました。

 その後も代を重ね、1990年に4代目が登場。4代目では世界ラリー選手権への参戦を目的に開発された高性能モデルの「パルサー GTI-R」がイメージリーダー的な存在でしたが、ボディラインナップは3ドアハッチバックと4ドアセダン、そしてユニークなフォルムの5ドアハッチバックが設定されていました。

 この5ドアハッチバックは「5ドアセダン」と呼称され、実際にテールゲート後部はショートデッキにデザインされており、一見するとセダンにも見えました。

 トップグレードの「GTI」には最高出力140馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCの「SR18DE型」が搭載され、大ぶりのリアスポイラーが装着されるなど、外観もスポーティに演出されていました。

 パルサーは欧州市場を重視したモデルだったことから5ドアセダンの設定は自然な流れといえましたが、日本では3ドアハッチバックと4ドアセダンがヒットするも、5ドアセダンは人気とはなりませんでした。

 その後、1995年に5代目が登場すると、5ドアハッチバックはショートワゴンタイプのボディにスイッチし、5ドアセダンは4代目限りで消滅しました。

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●ホンダ「クイントインテグラ 5ドアハッチバック」

全グレードともDOHCエンジンというスポーティさを全面に出していた「クイントインテグラ 5ドアハッチバック」

 ホンダは1985年に、3代目「シビック」と「バラードスポーツCR-X」に続くコンパクトなFFスポーティモデルの「クイントインテグラ」を発売しました。

 デビュー当初はシャープなフォルムの3ドアハッチバッククーペボディのみで、全グレードともDOHCエンジン搭載したことも大いに話題となりました。

 外観はリトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズと低いボンネットが特徴で、典型的なウェッジシェイプとなっていました。

 その後、クーペの発売からやや遅れ、同じく全車DOHCエンジンの5ドアハッチバックが加わり、翌1996年には4ドアセダン(SOHCエンジンも設定)も登場。3タイプともデザインコンセプトは共通で、いずれもスポーティなフォルムでした。

 トップグレードのエンジンは電子制御燃料噴射装置を備え、最高出力120馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」を搭載。

 クイントインテグラはシビック/バラードスポーツ CR-Xとは性格が異なるスポーツモデルとして人気を博しましたが、やはり主力は3ドアハッチバックと4ドアセダンだったため、1989年に発売された2代目では車名が「インテグラ」へ変わるとともに、5ドアハッチバックは廃止となってしまいました。

※ ※ ※

 冒頭にあるとおり「5ドアハッチバックは売れない」ジンクスは、最近、耳にしなくなりました。

 実際にトヨタ「プリウス」や現行モデルのシビックは、5ドアハッチバックでも人気を集めています。

 ただし、セダン系モデルそのものが減少しており、本来、5ドアハッチバックのベースとなる4ドアセダンが少ないとあっては、5ドアハッチバックはなおさらレアなクルマとなりそうです。

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1件のコメント

  1. 記事の末尾が意味不明。いまでは「5ドアじゃない」ハッチバックの方がレアなのでは?
    SUVなんてほぼすべて5ドア・ハッチバックでしょ。国産で3ドアがあるのはGRヤリスとジムニー、あとはZくらいじゃない?

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