スタッドレスを1年中履いていても大丈夫!? 冬用タイヤを履き続けておきる問題とは
とくに降雪地帯に住む人にとって、冬道を安全に走行するのに欠かせないのがスタッドレスタイヤです。ただ3月や4月になっても突然雪が降ることもあるため、タイヤ交換の時期は難しいこともあります。最近では夏路面の性能も高くなってきたといわれる最新スタッドレスですが、履き替えをしないまま夏に突入するとどんなことがおきるのでしょうか。
夏もスタッドレスだと安全面や経済面などさまざまな問題がある
乗用車用のタイヤは、大きく分けると「サマータイヤ」と「冬用タイヤ」の2種類に分類できます。
スタッドレスタイヤはもちろん冬用タイヤですが、履き替えが面倒で、夏でもスタッドレスタイヤで走っているという人もいるようです。
夏にスタッドレスタイヤを着用したまま走行すると、どのような問題が起こるのでしょうか。
そもそもスタッドレスタイヤとは、雪道や凍った路面でも滑らず、安全に走行できるよう作られた冬用タイヤです。
スタッドレスタイヤが登場する以前は、「スパイクタイヤ」が主流でした。スパイクタイヤは1950年代後半に北欧で開発され、1960年代には欧米に広がりました。同じく1960年代には日本のタイヤメーカーでも製造されるようになっています。
スパイクタイヤには鋲が打ち込まれていて、アイス路面でのグリップが高く、脱着を必要とするタイヤチェーンよりも手軽に使えることで、日本でもまたたく間に普及していきました。
しかし1980年代になると、乾燥した道路を走行すると打ち込まれた鋲がアスファルトを削り、粉塵が発生するという問題が懸念されはじめました。そのため、平成3年(1991年)からスパイクタイヤは原則的に禁止となり、鋲を使わないスタッドレスタイヤが誕生しました。
では、冬に装着したスタッドレスタイヤを履き替えずに、夏もそのまま装着しているとどのようなことがおきるのでしょうか。
先にいっておきますが、夏にスタッドレスタイヤを履いたままでも車検には通るため、法律上は問題はありません。
スタッドレスタイヤは、各タイヤメーカーからさまざまな技術を搭載し、新商品も続々と登場しています。そのなかにはアイス・スノー性能という冬道性能だけでなく、ドライ性能やウエット性能といった、春夏秋にありがちな路面への対応を謳う商品も多数。
ただしスタッドレスタイヤのゴムはサマータイヤに比べて柔らかいため、夏の高速道路などで走行し続けると、サマータイヤに比べると減りは早くなり、寿命が短くなります。基本的にはサマータイヤよりも高額なものが多いスタッドレスタイヤだから、夏もそのまま履き続けるということは経済的ではありません。
またサマータイヤに比べると、スタッドレスタイヤはウエット性能が弱いため、雨の日のブレーキングが苦手です。さらにトレッド面が柔らかいため、コーナリング性能なども影響があります。安全面を考えると、やはり夏にはサマータイヤを装着しているのが良さそうです。
さらに燃費性能や、ロードノイズ/パターンノイズと呼ばれる騒音性能も、一般的にスタッドレスタイヤはサマータイヤと比較すると劣る場合が多くなります。夏にスタッドレスタイヤを履き続けるメリットはないと言い切っていいでしょう。
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