高性能なエンジンオイルは軽自動車にも効果ある? 10年ぶりの新規格「SP/GF-6」は何がスゴイのか
コンパクトカーで試して違いを実感! 軽自動車はどう?
では、新たなSP/GF-6は、前規格と比較してどれだけ違いを体感できるのでしょうか。前出のH整備士は次のようにいいます。
「弊社の代車としても使用している2015年式のトヨタ『ヴィッツ』に入れてみたのですが、滑らかな回転フィーリングやパワーの出方がスムーズになるなど、明らかに違っています。
またそれ以上に清浄性や劣化を抑える安定性が向上しているおかげでしょうか、メカニカルノイズも軽減しました。
ハイブリッド車向けには『GF-6B』がメインになってくると思われますが、同じようにスムーズさと省燃費性、劣化抑制による性能維持が期待できます」

コンパクトカーでそこまで違いが体感できるのであれば、ほとんどの普通車ならオイルによってかなりフィーリングの違いを体感できそうです。
では、軽自動車にもSP/GF-6グレードを入れれば効果は期待できるのでしょうか。
「まだ試していないので断言はできませんが、軽自動車に関してはそこまで高性能なオイルは必要ないかもしれません。
というのも、軽自動車のエンジンはそもそも排気量が660ccと定められており、最高出力も規制されているため、そこまでの違いを体感しにくいと思います。
ただホンダ『S660』や『N-ONE RS』、スズキ『アルトワークス』といった軽スポーツであれば、高回転域でのスムーズさやエンジンやタイミングチェーンに負荷がかかるスポーツ走行などで違いが体感できるかもしれません」(H整備士)
ここで難しいのは、新しく高性能なオイルは必ずしも全部のエンジンに最適とはいえないことです。
旧車などはエンジンの設計年数も古いため、高性能すぎるエンジンオイルを使用するとオイル漏れなどを起こす可能性もあり、やはりクルマの製造年数に準じた「グレード」と「粘度」を選択する必要があるのだそうです。
「最近人気になっているネオクラシック(旧車)にも新規格のエンジンオイルは不向きかもしれないです。高性能すぎてエンジンとのマッチングも良くない可能性もあります。
当時のエンジンは当時のオイルの性能を考慮した作りになっており、現在の高性能オイルを想定していません。
パーツの精度なども当時と現在ではかなり違いますので、壊れないとしても期待するような効果が得られない可能性はあります」(H整備士)
※ ※ ※
今回のSP/GF-6に関しては、ハイパワーなスポーツカーだけでなく、10年落ち程度までの少し古めのクルマにはかなり効果は期待できそうです。
直噴エンジンがもてはやされたのが15年前くらいで、当時の性能は現在のレベルほどではないことを考慮すると、スラッジやススなども溜まりやすい傾向にあります。
その点、SP/GF-6では清浄性も高く、オイル自体の劣化による性能低下も抑えられているとのことで、SP/GF-6グレードのエンジンオイルを使用すると違いが体感できるかもしれません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。














