「脱オラ顔」ではなく併存!? ホンダ新型「ステップワゴン」はなぜ非エアロ仕様を強化? トヨタ新型「ノアヴォク」注目仕様は?
ホンダが「非オラオラ顔」仕様に新名称を設定! 開発の狙いは?
前述のとおり、6代目となるホンダ新型ステップワゴンは2022年春に全面刷新を控えていますが、モデルラインナップを見るとエアロ仕様の「スパーダ」のほかに、6代目で初めて設定された新仕様「エアー」が存在します。
先代(5代目)ステップワゴンでは、スパーダ以外のグレードは例えば「G EX」「G」のような記号的な名前が付けられており、スパーダと比べるとどうしても影の薄い存在となっていました。
実際にスパーダとそれ以外(「G EX」など)では大きな販売差があったといい、ホンダによると販売のおよそ9割をスパーダが占めていたといいます。
そんななか、新型ステップワゴンの開発にあわせてホンダがミニバン購入意向のあるユーザーを対象におこなった調査によると、ミニバンの「理想のスタイリング世界観」について、興味深い結果が出ました。
選択肢として、エアロ仕様(スパーダ)を連想させる「スタイリッシュ」「オラオラ」「VIP」と、そしてそれとは別のクリーンでシンプル、かつ温かみもある「ナチュラル」という4つの世界観を提示したところ、回答割合は「スタイリッシュ」が29%、「オラオラ」が30%、「VIP」が12%(3つの合計:71%)だったのに対し、「ナチュラル」も29%存在しました。
これを受け、ホンダは「従来価値を求める顧客は残存する一方、新しい価値を求める兆しも存在する」と判断。その結果、標準仕様を廃止し、新たな世界観を提示するエアーが誕生したといいます。
新型ステップワゴン エアーは、外観はすっきりと清潔感のあるコーディネートを採用したほか、細いメッキモールをさりげなく使用し、上質感も演出。
内装は、リビングにいるような温かみが表現され、素材のタッチ感にも配慮されました。
新型ステップワゴン エアーについて、担当デザイナーの花岡久和氏は「(新型ステップワゴンが掲げる)コンセプト“素敵な暮らし”が見ただけで伝わるデザインを目指しました」と説明します。
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前述のとおり、トヨタはノア/ヴォクシーの姉妹車やグレードの整理をしたほか、ホンダは新型「オデッセイ」(国内向け)を2021年末に生産終了。
ミニバンが人気カテゴリであっても、無尽蔵にモデル数を増やすことはできないという事情がうかがえます。
それでも、ノア/ヴォクシーやステップワゴンの属するミドルサイズミニバンが売れ筋であることは間違いなく、フルモデルチェンジにかける両社の“本気”が見てとれるといえるでしょう。
人気カテゴリで一定の販売が見込めるからこそ、いわゆる「オラオラ顔」が昨今人気を博しているとはいえ、それ以外の仕様を削減することはしないという判断につながっているのかもしれません。
大体、オラオラって選択肢があるのが...(笑)
それが3割って....
それだけオラオラしたいって事?
子供のせて.....
オラオラ顔、つまりカスタムモデルには未だ根強い人気があるとは言え、今が過渡期であり今後は流行りが動いていくものと考えます。
トヨタの新型ノアヴォクのラインナップは、そこをうまく押さえているように感じました。中でもノアのエアロ仕様は、最近の流行を押さえた王道デザインであり、ヴォクシーは更にアグレッシブで個性的なデザインとなっていますが、今回のヴォクシーはその奇抜なデザインとエアロ仕様のみのグレード展開を鑑みるに、次期型ノアに統合させる意図があるように感じます。ノアの標準仕様がボディ同色とは言え、大開口グリルを採用しているところに、ナチュラルなデザインに振り切れないところに昨今の流行りと、ヴォクシーのノアへの統合と言う将来性を考慮したカタチが表されているように思えるのです。
ステップワゴンは標準仕様に代わって新たにエアーを設定していますが、これはこれでユーザー訴求の方向性としては間違ってはいないと感じます。
但し、ユーティリティの面で電動テールゲートなどスパーダにしかない装備があったりと、まだ標準仕様の延長線上から脱していない印象を受けるのと、折角シンプルなデザインのエアーがあるのに、スパーダはアグレッシブさと言った昨今の流行には、先代スパーダと比べても今一歩届かないデザインに落ち着いてしまい、エアーとの差別化が中途半端な印象を受けます。