クルマの「ホーン」なぜ多彩な音色? 高音・低音など異なる訳 時代でも変化か
運転中に危険を感じた際などに使用するホーンですが、高音や低音などモデルによって異なるイメージがあります。実際にホーンの音域はどのように決まっているのでしょうか。
ホーンの音は「クルマによって違う」は厳密にいうと間違い?
クルマのホーンは、決められた標識がある場所や危険を防止するときに鳴らすことが定められており、頻繁に使用するというものではありません。
そんななか、街中を走行していると自車とは違うホーンの音を耳にすることがあります。ホーンの音はクルマによって異なるのでしょうか。
公道を走行するすべてのクルマに搭載されているホーンは、クルマのハンドルと一体型となっている機能で、押すと「ブー!」や「プー!」といった大きな音が鳴ります。
ホーンは、「警音器」という名称で道路交通法第54条において、見通しの悪い交差点や曲がり角、山の頂上などで、なかには「警笛鳴らせ」の標識が設置されている場所で鳴らすことが定められています。
一方で、それ以外の場所であっても危険を防止するためであれば使用しても良いとされており、緊急回避のためにホーンが使用される場合もあります。
そんなホーンの音ですが、実は車種によって微妙に異なるといわれています。
SNSでも「高級車のホーンって良い音だよね」「友達のクルマと音が違うのがおもしろい」といった投稿が見られます。
では、実際にホーンの音は、車種によって異なるのでしょうか。
老舗の警報器メーカーである宮本警報器の担当者は、このことについて「モデルごとに異なるというよりは、各メーカーで音が違うという認識のほうが正しいと思います」と話します。
各自動車メーカーは警報器の製造を決まった警報器メーカーに依頼しているのが一般的で、例えば宮本警報器では、主に日産車の警報器を製造しています。
そして、警報器メーカーが異なると、おのずと搭載されるホーンも異なるため、各自動車メーカーによって、ホーンの音が異なるものに聞こえるというわけです。
では、そんなホーンの音は自動車メーカーから依頼によって、モデルごとの音色が変更されることはあるのでしょうか。
前出の担当者は「当社では長く日産車のホーンを製造していますが、クルマによって異なるホーンを製造してほしいとのご依頼はありません」として、以下のように説明を続けます。
「実は、各メーカーがホーンに使用している音の周波数や音圧に大きな差はないため、そこまで大きな音色の違いは生じないはずです。
ただ、クルマによって取り付ける場所や取り付け方が多少異なるため、人によってはわずかに音が違うと感じることはあるかもしれません。
また、製造に使用する材質によっても音色が変化することはあります」
このように、ホーン自体の構造というよりは、取り付けにかかわるブラケットやステーの長さ、取り付けの際のホーンの締め付け方、材質などの違いから、音の変化が生まれているのかもしれません。
なお、前述したように現行型のモデルは基本的に同一のホーンであることが多いようですが、「販売終了したモデル向けにホーンを製造してほしい」などのメーカーからの依頼で、例外として異なる種類のホーンを製造することはあるそうです。
軽自動車は平形の1個しか付いてない❗️