クルマの「ホーン」なぜ多彩な音色? 高音・低音など異なる訳 時代でも変化か

最近のホーンは音が高くなっている? 近年のホーンの変化とは

 宮本警報器では大きく「平型」と「渦巻型」の2種類のホーンを製造しています。

 それぞれ高音と低音のふたつをセットで組み合わせて和音を奏でています。

 平型は太鼓のように叩いて(パーツが衝突し合って)音を出しており、鋭く高い音色が特徴です。

 一方、渦巻型はラッパのように空気振動を活用したホーンでやわらかい音色となっています。

 最近の国産車では平型の普及率が高くなっていますが、平型のホーンには昔と今とで音に変化が見られます。

 前出の担当者は、昔と今のホーンの違いについて以下のように話します。

「ホーンも日々改良が重ねられ、モデルチェンジすることがあります。

 例えば、昔と今ではホーンの直径が異なり、最近のものは小型になってきています。

 また、音の高さについてメーカーから要望を受けたことはあり、昔より今のほうが音の周波数が高くなっています」

昔と今では音域が違う? どのような変化があるのでしょうか?
昔と今では音域が違う? どのような変化があるのでしょうか?

 かつて宮本警報器で製造していたホーンは、直径120mmほどでしたが、年々小型化しており、最近のホーンは直径70mmまで小さくなっているそうです。

 ホーンが小型化することで、製造にかかる材料も減り、コストが安価に抑えられます。また、狭いスペースにも設置がしやすいというメリットがあります。

 さらに、ホーンは前述したように高音と低音のセットとなっており、かつて、宮本警報器では「低音:315ヘルツ+高音:370ヘルツ」の組み合わせでホーンを製造していましたが、現在では「低音:400ヘルツ+高音:500ヘルツ」のホーンが製造されています。

 これは、安全性の観点から考えられており、人の耳は音が高ければ高いほど、音が鳴っている方角を特定しやすいとされています。

 一方で、人間の耳が音を聞き取りやすい範囲はだいたい20ヘルツから2万ヘルツとされており、高齢になるほど高い音は聞き取りにくくなります。そのため、高すぎると聞き取りにくいというデメリットが発生します。

 また、ホーンは音が周囲に聞こえるように大きく鳴る必要があるため、高すぎる音に設定してしまうと、音が過剰に聞こえ、耳をつんざくようにうるさく感じることもあるようです。

 400ヘルツ、500ヘルツはだいたい男性が話す時の声の高さと同様で、多くの人に親しみやすく、大きな音でもうるさすぎず、人に認識されやすい高さであることからホーンに採用されたと考えられます。
 
※ ※ ※

 なお、欧州系高級車のホーンは、国産車に比べて高い音が採用されていることがあります。

 これは、国産車よりも高速域での走行が想定されていることから、音の方角を判断しやすい高音のものが採用されたようです。

 また、前出の担当者によると「かつて高級輸入車『ポルシェ』のホーンの音色が評判となり、『ポルシェホーン』と呼ばれることがありました。そこから『高級車=高い音のホーン』というイメージが定着したと考えられます」といいます。

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1件のコメント

  1. 軽自動車は平形の1個しか付いてない❗️

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