コロナ禍の「県外ナンバーいじめ」どうなった? 自治体の対策効果あり? 現在は減少傾向か
新型コロナウイルスが蔓延しはじめて約2年が経過しましたが、流行当初には「県外ナンバー」に対する嫌がらせ行為が見られました。
「県外ナンバー」に対する嫌がらせ 現在でも横行?
新型コロナウイルスが蔓延しはじめて約2年が経過しましたが、流行当初には「県外ナンバー」に対する嫌がらせ行為が見られました。当時は行政が「県外ナンバーいじめ」に対する呼びかけや条例の制定をおこなっていましたが、現在ではどのような状況なのでしょうか。
日本では、2020年1月末頃から新型コロナウイルスに関する話題が騒がれるようになり、コロナ禍になって2022年1月末で2年を迎えます。
そうしたなかで、手洗いうがいの徹底や飲食店や接客をおこなう店舗の時短営業など、新型コロナウイルスに対するさまざまな感染対策がおこなわれています。
一方で、コロナ禍初期から中期にかけて、とくに都道府県を跨いだ移動や旅行などの「外出自粛」を政府や各自治体が呼びかけていました。
SNSでは、2022年を迎えてからも「田舎の実家に帰省するのやめました」「温泉旅行中止にした」という声があり、政府の呼びかけに応じて自粛を続けている人が多く見られます。
一方で2020年にコロナウイルスが流行しはじめた当初には、県を越えてやってくる県外ナンバーのクルマに対して、ボディへの傷つけや意図的な汚し、あおり運転といった行為をする人が見受けられ、「県外ナンバーいじめ」として全国的に大きな問題となりました。
では、現在ではこうした県外ナンバーいじめはまだ見受けられるのでしょうか。
県外ナンバーいじめの状況について、西日本にあるA県の県警担当者は、「現在では、県外ナンバーのクルマで走行している人に対して、あおりや嫌がらせをするという事例はまったくといっていいほど見られません」といいます。
A県では、県外ナンバーの嫌がらせが頻繁に見られた2020年に「県外ナンバーいじめは決して許されるものではない」とホームページにおいて強く注意喚起をしており、そういった嫌がらせに対して繰り返し呼びかけをおこなっていました。
また、A県では2020年10月に差別的取扱いなどの禁止事項を盛り込んだ条例を独自に制定しており、徹底的に対策をしていたことがうかがえます。
前出の担当者は「県独自でおこなっている対策に加えて、コロナウイルスの感染者が一時的に少なくなったことが相まって、県外ナンバーへの嫌がらせがほとんどなくなったのだと思います」と話します。
さらに、2021年に県外ナンバーのクルマにあおり運転をした人が逮捕されたという事件が起こった神奈川県の県警担当者も同様に「県外ナンバーへの嫌がらせについての問い合わせや通報は、現在まったくありません」といいます。
このように、全国的に収まりを見せている県外ナンバーいじめですが、そもそも周囲のクルマへの嫌がらせやあおり運転は絶対にしてはいけない行為です。