ハイブリッド車なのに窓は手動! 令和のクルマにも採用されている「昔懐かし装備」3選

そういえば見なくなった「フェンダーミラー」

●トヨタ「JPNタクシー」のフェンダーミラー

トヨタ「JPNタクシー匠」

 トヨタ「JPNタクシー」は「クラウンコンフォート」や「コンフォート」の後継として登場したタクシー向けのモデルです。一般ユーザーも338万円からで購入できますが、実際はほぼタクシーで使われています。

 日産の「クルー」「NV200タクシー」といったライバル車の販売が終了してしまった現在、日本メーカーでタクシー向けに供給されている唯一のモデルが、このJPNタクシーです。

 JPNタクシーはハイブリッド車ですが、燃料はガソリンや軽油ではなくLPG(液化石油ガス)を使用します。そのため、街中を巡回するようなタクシーにはぴったりですが、一般ユーザーが長距離旅行をする際はLPGのスタンドを出先で探さねばならず、そういった面からもタクシーユースがメインとなっています。

 このJPNタクシーで特徴的なのが、フェンダーミラーです。

 近年の乗用車はほぼドアミラーが採用され、次世代タイプとしてカメラとモニターを組み合わせた電子式のサイドミラーがレクサス「ES」やホンダ「e」などで採用されています。

 そのような中、JPNタクシーはドアミラーではなく、全車ともフェンダーミラーとなっています。

 フェンダーミラーの主なメリットは、車両の前方を見たまま側方の状況を確認できる点や、降雨や降雪時でもワイパーで拭き取られたフロントウインドウの先のクリアな視界の先にミラーがあるため、年中安定した視界を確保できる点が挙げられます。

 また、フェンダーミラーは車両の前方に設置されているので、ドアミラーでは死角となるドアミラーより前の側面も映し出してくれます。

 ドアミラーより車両側方への飛び出し量を小さくできるため、狭い路地などでのすれ違いなどで利便性が高い点もメリットです。

 一方、現在主流のドアミラーは取って付けたような違和感がなく、車両と一体感のあるすっきりとしたデザインに仕上げられるうえ、運転者からより近い位置にミラーがあるので、大きくはっきり側方の様子を確認できます。

 商用車ゆえに、デザインよりも視界の確保を優先するという点からフェンダーミラーを採用している理由もありますが、個人タクシーなどでドアミラーのタクシーを運転しているドライバーに話を聞くと「車線変更の度に助手席のお客さまをチラチラ見ているように思われるので、フェンダーミラーの方が良いんだよね」とのことでした。

 助手席に座る乗客への配慮からも、タクシーとしてはフェンダーミラーが最適解であるということになったのでしょう。

 古いクルマを購入しない限り、若いドライバーがフェンダーミラー車を運転することは稀だと思います。もし、タクシーの助手席に乗る機会があればフェンダーミラーでどのような視界が確保されているのかチェックしてみるとおもしろいかもしれません。

※ ※ ※

 自動化、電動化の流れは今後も加速し、その他の装備も電子化されていくかと思います。しかし、安全装備が充実してくると車両価格もアップしてしまい、クルマが買いにくくなっていく点は否めません。

 そのため、コストダウンの一環として、防眩切り替えのないルームミラーや後席の手動ウインドウのように、あまり使わない機能については手動のまま残していくのも一つの方法かもしれません。

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