大ヒットしてホンダを救った!? ミニバンブームをけん引した初代「オデッセイ」を振り返る
大ヒットを記録し、ホンダの救世主となった!
初代オデッセイの大きな特徴として「ミニバンらしくない走りのよさ」が挙げられます。初代の開発時、オデッセイの走りに求めたのは、爽快な走りと、快適な乗り心地という要素をセダンと同じレベルで実現 することでした。
低重心かつロングホイールベースを基本に、4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションの採用などによって高水準のシャシバランスを実現。
それまでのワンボックスベースのワゴンに比べて、カーブでのクルマの傾きや揺すられる感覚が極めて少なく、そのうえセダンをドライブしているような上質なハンドリングと快適な乗り心地が味わえました。
搭載されたエンジンは、2.2リッター直列4気筒SOHCで、最高出力145馬力を発揮。多人数乗車や、荷物を満載した状況に配慮して、アクセルペダルの踏み込み量とスロットル開度の関係を見直すことで、ペダル踏み込み量が少ない領域であっても十分なトルク特性が得られるようチューニングが施されました。
その後、マイナーチェンジで排気量は2.3リッターへ拡大され、さらに3リッターV型6気筒エンジン搭載車を追加することで、余裕ある走りを実現しました。
ミニバンに求められる能力が高かったことも、初代オデッセイが支持された理由といえるでしょう。とくに3列あるシートのどこに座っても心地いいと感じられる空間作りに注力していました。
FFレイアウトとしながら、床を低く設定することでワンボックスカーのような広さを確保し、6人、あるいは7人がゆったりと乗車でき、なおかつ目的に合わせてフレキシブルに対応できるよう多彩なシートアレンジも可能でした。
5代目はスライドドアですが、初代から4代目まではヒンジ式のドアを採用。フロアの位置が他車よりも圧倒的に低かったことが功を奏して、ヒンジ式でも優れた乗降性を実現しました。
こうした特徴に加え、エントリーグレードの「B」が179万5000円、最上級の「L」でも245万5000円という価格設定(登場時)が、家族のクルマとして多くの人に選ばれた要因でした。
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初代オデッセイは空前のヒットを記録し、当時、三菱の傘下になるのではと噂されたほど危機的状況だったホンダは救われました。
しかし、近年は販売台数の伸び悩みは否めず、2021年をもって、生産工場である狭山製作所の閉鎖にあわせて国内向けの生産を終えました。
かつて一世を風靡したオデッセイもニーズの変化にはあらがえず、歴史に幕を下ろしました。
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