50年以上は当たり前! 時代の波を乗り越えてきた「ご長寿車名」3選 今なお人気で納期2年以上も!

毎年さまざまな新型車がデビューする一方で、時代の要求を取り込みモデルチェンジを繰り返しながら進化するロングセラーモデルも存在しています。もはや近代自動車史の生き証人といえそうな、そんなご長寿モデルを紹介します。

半世紀以上にわたり代を重ねるご長寿モデルを振り返る

 クルマも他の商品と同様、人気や需要がなくなればそのモデルの販売は打ち切られますが、人気や需要があれば販売は継続され、モデルチェンジをしながら進化していきます。

日産「スカイライン」
日産「スカイライン」

 時代が変わるにつれて、セダンやスポーツタイプ、ミニバン、SUVなどへと人気も移り変わり、加えてライバル車も現れます。

 そんな栄枯盛衰の波に揉まれながらも、脈々と進化し日本国内で販売され続けてきた古株ロングセラーモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン」

日産「スカイライン」

 日産「スカイライン」は、1957年に当時の富士精密工業が発売した乗用車です。

 メーカーの富士精密工業はその後、社名をプリンス自動車工業に変え、さらに日産自動車と合併しましたが、スカイラインの名前は、現在まで60年以上にわたり受け継がれています。

 日産車の中でスカイラインは、プリンス自動車時代から継承し現在も販売が続く唯一の車名であり、また、最も古い車名でもあります。

 現行モデルは2013年に登場した13代目(V37型)です。このクルマは海外では、日産の高級車ブランド「インフィニティ」の「Q50」として展開されることも関連し、フロントのエンブレムは日産ではなくインフィニティのロゴが付けられました。

 価格も12代目から150万円ほどアップするなど、他の日産車とは一線を画す高級車としての位置付けとなっています。また、スカイラインとしては初めてハイブリッド車が設定されました。

 2019年の大幅改良では、インフィニティのエンブレムが日産のものに戻りました。さらに国産車で初めて高速道路で同一車線内のハンズオフが可能な先進運転支援システム「プロパイロット2.0」がハイブリッド車に設定されています。

 価格(消費税込)は435万3800円から616万円です。

 なお、現行のV37型が登場してから、すでに8年が過ぎています。

 そろそろフルモデルチェンジが発表されてもおかしくないタイミングですが、日産の星野副社長は2021年6月、新型車発表会場で、スカイライン開発中止を伝える一部の新聞報道に対し、「そのような意思決定をした事実は一切ございません」「日産はスカイラインを諦めません」と宣言しています。

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●ダイハツ「ハイゼット」

ダイハツ「ハイゼットカーゴ」

 ダイハツ「ハイゼット」は、軽オート三輪「ミゼット」を源流とした軽商用車です。

 1960年11月、同社初の軽四輪車としてデビュー。当初はトラックのみでしたが、半年後の1961年5月にはライトバンも加わりました。60年以上に及ぶハイゼットの名前は、軽自動車の現行モデルでは最も古い歴史を持ちます。

 1964年(バンは1965年)にフルモデルチェンジし、それまでボンネットタイプから、2代目としてキャブオーバータイプが登場。さらに1999年の9代目から、バン改めカーゴがセミキャブオーバータイプに変わりました。現在はトラック・カーゴとも10代目が販売されています。

 ハイゼットトラックは、2010年1月から2020年12月まで11年連続で、日本国内で販売されている軽・小型・普通トラックの車名別年間販売台数でトップを維持しました。

 2021年11月までのハイゼットシリーズ合計生産台数は750万台以上といいます。

 2021年10月には、これから生まれるデザインの手本となりうる、時代を超えてスタンダードであり続ける商品・建築・コンテンツ・サービスなどを表彰する「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」にも選ばれました。

 そして、ハイゼットトラックは2021年12月にマイナーチェンジし、ハイゼットカーゴは同月に17年ぶりに全面刷新を遂げています。

 現行モデルの価格(消費税込)は、ハイゼットトラックが90万2000円から145万2000円、ハイゼットカーゴが104万5000円から160万6000円です。

 2022年1月14日から16日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「東京オートサロン2022」では、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞の受賞とユーザーへの感謝を込めて、1960年に発売された初代から今回モデルチェンジした新型まで歴代全モデルが勢ぞろいする予定です。

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