ブリヂストンの最新スタッドレス「ブリザックVRX3」はドライや雪路面でどう? 実際に走ってみた
スノー路面でも穏やかでコントロールしやすい
次にトヨタ「ヴェルファイア」に乗りました。タイヤサイズは225/60R17 99Qでした。
最近では室内が広く、アイポイントが高い位置のSUVやミニバンの需要が多いため、スタッドレスタイヤも重量級のクルマも想定して開発しなければなりません。
ヴェルファイアの試乗インプレッションも良好でした。ハンドル応答性はややダル(鈍目)ですが、クセのないハンドリングで安定性が高く、常に安心感がありました。大勢の人数を乗せるミニバンですから、これは大事なことです。
コンパクトサイズも乗りました。VW「ポロ」で、タイヤサイズは185/65R15 88Qです。
ポロはボディもサスペンションもしっかりしているため、ハンドルを通じて路面状態もわかりやすいのが良かったです。適度なシャープさのハンドル応答性は速い操舵でも遅れなく気持ちの良いドライビングが体験できます。
ブリザックVRX3は、楕円形の断面形状を持つ「フレキシブル発泡ゴム」を採用した新しいトレッドコンパウンドによって、先代ブリザックVRX2比で20%向上という優れたアイスブレーキ性能を達成していますが、そのアイス性能に加えて、ドライのハンドリング性能や乗り心地も高いレベルに持っていくというチューニング作業は、きっと大変だったと思います。
乗り心地を優先するならば、サイドウオールの剛性を落とせばいいのですが、そうするとグリップのしっかり感やハンドリング性能が悪くなってしまいます。乗り心地を犠牲にしないギリギリのところで、ハンドリング性能を高めようとした開発者の努力が実を結んでいると感じました。
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12月中旬に開催された今回の試走会では、千歳周辺にはまだ雪が降っていなかった(その3日後には大雪が降ったそう)のですが、新千歳モーターランドのクローズドコースに人工降雪機を使って圧雪路面を作り、ブリザックVRX3のスノー性能も試すことができました。
これは1周650mほどのコースですが、ここではホンダ「フィット」、トヨタ「プリウス」、メルセデス・ベンツ「E200」、スバル「レヴォーグ」と、用意された多彩な車種に次々に乗ってみました。これらのクルマはすべて4WDということもあり、走る、曲がる、止まるに不足はありませんでした。
Eクラスやレヴォーグは、VSCをカットし、アクセルオンでタイヤの限界を超えてリアタイヤが滑り出す状態を作っても、その滑り方は穏やかでコントロールしやすいものでした。
結論をいえば、ブリザックVRX3は氷の路面だけではなく、雪やドライ路面を制覇したスタッドレスタイヤの傑作といえるでしょう。
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