ブリヂストンの最新スタッドレス「ブリザックVRX3」はドライや雪路面でどう? 実際に走ってみた
今シーズンに登場したブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX3(ブリザックVRX3)」。先代のブリザックVRX2と比較して氷上ブレーキ性能が20%も向上したのが話題ですが、その他ドライ性能やスノー性能はどうなのでしょうか。モータージャーナリストこもだきよし氏のレポートです。
ドライ路面でも快適な乗り心地とスムーズなドライビングを両立
ブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「ブリザックVRX3」は、氷上ブレーキ性能が先代比でなんと20%も向上しています。そのアイス性能が素晴らしいことは、すでにスケートリンクでの試乗で確認しました。
しかしこれまでの筆者の長い経験では、アイス性能が良い冬タイヤは、ドライ性能があまり期待できないことが多かったのです。これは東京や大阪など、1年を通してほとんどが雪が降らない非降雪地域に住むドライバーは大きな問題になります。
さらに北海道や東北など降雪地域でも、最近では温暖化の影響や除雪の効率化などで、高速道路などでは冬でも完全にドライ路面の場所も増えてきています。
ブリザックVRX3の総合性能を判断するためには、氷上だけでなく雪や氷のない一般道でも試乗してみたいと思っていました。そして今回、北海道の新千歳空港近隣で試乗することができました。
まずはブリザックVRX3を装着したトヨタ「クラウン」で試走します。タイヤサイズは215/55R17 94Qで、空気圧は240kPaでした。
最初に感じたのは、走行音が静かだということ。もともとクラウンの室内は静かなのですが、そこにタイヤノイズが入り込んでこないため快適です。冬用タイヤはトレッドゴムもソフトなので、「ゴー」という低音のロードノイズは発生しにくいのですが、トレッドパターンが細かく刻まれているので、高音域の「シャー」というパターンノイズは出て当然発生します。それでも、車内は非常に静かでした。
スノータイヤが出始めた40年から50年くらい前は、音が静かなスノータイヤは雪道の性能は低い、などといわれていましたが、コンピュータによるトレッドパターンの解析、シミュレーションが進んだ現代では、そうした考え方は過去の話になりました。
ブリザックVRX3を履いたクラウンの乗り心地は、路面の凹凸を通過したときの当たりもソフトで、上下の揺れも少なく、クラウンらしい快適さでした。
ハンドリング性能についても文句はありません。これは「スタッドレスタイヤにしては」という言い訳をしなくても済むほどのドライ性能でした。
腰砕けしないグリップ感によって、加速、カーブ、減速という動きの中で、ドライバーの意志とおりにとてもスムーズに走ることができました。
ハンドル応答性もクセがなく、応答自体のゲインが適度で、応答遅れも感じずに、微小舵からなかなか素直な反応でした。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。