「新車臭は好き?嫌い?」 賛否の「新車特有のニオイ」問題 確実に消すのはムリな訳
新車のニオイで病気になる可能性も?「シックカー症候群」とは
新車のニオイの主な原因となっているVOCは、人体に悪い影響を及ぼす可能性があると報告されています。
そもそもVOC(Volatile Organic Compounds)には、主に「トリクロロエチレン」「テトラクロロエチレン」「ホルムアルデヒド」「トルエン」「ベンゼン」「キシレン」といった物質、ほかにもアルコール類やケトン類などが存在します。
これらの物質は、乾燥しやすい・親油性に優れているといった特徴を活かし、塗料や接着剤などをはじめとする溶剤や洗浄剤として幅広く利用されています。
その一方で、これらの物質が発するニオイによって、一部の人はアレルギー反応を起こす可能性があり、専門家の間では「シックカー症候群」という名称で浸透しています。
おもな症状としては、頭痛・くしゃみ・頭がボーッとする・関節痛・発疹・微熱・めまいなどが挙げられます。
さらに、これらの症状を放置すると、精神障害・眼科的障害・末梢神経障害・自律神経障害・消化器障害・免疫障害・皮膚炎・喘息などの障害を引き起こしてしまう場合もあり、非常に危険であることがうかがえます。
とくに精神障害や眼科的障害などは、眠くなったり、目に痛みが起きたりすることも考えられ、クルマの運転に支障をきたす可能性が高いといえます。
日本自動車工業会でも、シックカー症候群を危険視しており、「車室内VOC低減に対する自主取り組み」をおこなっています。
取り組みの目的としては、「厚生労働省の室内濃度に対する指針値指定13物質に対し、乗用車については2007年度発売の新型車から、トラック・バス等商用車については2008年度発売の新型車から指針値を満足させる。また、それ以降も各社さらに室内濃度低減に努める」としており、車内のVOCを一定の基準値以下になるよう呼びかけています。
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もし、新車のニオイで具合が悪くなったと感じた場合には、一度停車して外の空気を吸ったり、車内の換気をおこなったりしましょう。
新車のニオイが苦手だと自覚している人は、乗る前にドアや窓を開けてクルマを換気しておくのが良いかもしれません。
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