ホンダ新型「ステップワゴン」四角いボディで原点回帰! 箱型ミニバン先駆者が残した功績とは

低床コンセプトやわくわくゲートなど独自機構を採用

●3代目代ステップワゴン(2005年登場)

 3代目モデルは、2005年に登場。低床・低重心コンセプトで好評な3代目オデッセイを受けて、ステップワゴンも同じコンセプトを採用したのです。

 そのため、室内高を1350mmに保ちながら、2代目モデルより全高を75mm低くした1770mmとし、その結果コーナーリング性能なども向上しました。

 エンジンは2リッターと2.4リッターを継続しながら、2.4リッターエンジンのFFモデルにはCVTを採用。

 また、モデル全体の走行性能が向上したためか、スパーダを廃止しています。

2005年に登場したホンダ3代目「ステップワゴン」
2005年に登場したホンダ3代目「ステップワゴン」

 もちろん、両側スライドドア(パワースライドドアはオプション、のちに標準装備)を装着し、室内には当時の家庭で流行していたフローリングを模した床材を採用し、リビングの居心地を目指していました。

 しかし、好評だったスパーダの廃止や、箱型ミニバンながら乗用車型ミニバンに近いボディなど、市場の指向とは異なる方向となってしまったようです。

 ライバルたちは広そうな箱型ボディとイカツいカスタム仕様をラインナップしており、スパーダがない点を他車と比較され、ステップワゴンは逆転には至りませんでした。

 そこで2007年のマイナーチェンジでスパーダを復活させます。エアロパーツで走りのイメージを演出し、他車とは異なる路線を歩むのでした。

●4代目代ステップワゴン(2009年登場)

 2009年に登場した4代目ステップワゴンは再びボディを箱形化し、標準車とスパーダの二本立て路線を継続しました。

 初代モデルらしさを望む声が強かったのか、原点回帰スタイルのこのモデルは人気を得て、翌2010年に3列シートミニバンで販売台数日本一を記録しました。

 とくにスパーダは、大型メッキグリルに大型ヘッドライトを採用し、ヴォクシーやセレナに対抗できたこともポイントだったのでしょう。

 ボディは全高を1815mmに上げ、低床コンセプトにより室内高を1395mmに拡大。クラス最大の室内広さを誇りました。

 とくに3列目シートは他車とは異なる床下折り畳み方式を採用し、フラットで広い荷室を実現します。

 150ps/19.7kg・mを発揮する新開発の2リッターエンジン(R20A型)を搭載し、FF車はCVT、4WDは5速ATとしました。

 この頃からセレナがアイドリングストップや「S-ハイブリッド」で人気を高めており、ステップワゴンも2015年のマイナーチェンジでアイドリングストップを搭載します。

 さらにシャープなスタイルへと変更してライバルに対抗しますが、市場はハイブリッド指向へと変化していきました。

●5代目代ステップワゴン(2015年登場)

 5代目となる現行モデルは、2015年に登場しました。この頃のダウンサイジングターボ待望論のためか、エンジンは150馬力/20.7kg・mの1.5リッターターボエンジン(L15B型)を搭載しました。

 また、運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に設定し、時代に合わせて安全性にも配慮しています。

 5代目ステップワゴンの特徴は、「わくわくゲート」です。これは、バックドア左側に小型のヒンジドアを組み込んで小さく開閉することも、全体を跳ね上げドアとしても使用できる斬新な機構です。

 ところが、特徴であるはずのダウンサイジングターボエンジンとわくわくゲートがあまり受け入れられませんでした。

 1.5リッターターボエンジンは、「ステップワゴンはハイパワー車ではないのでターボは不要」や、「1.5リッターでは物足りない」と誤認されてしまい、また、わくわくゲートが不要というユーザーもいたようです。

 加えて、ノア/ヴォクシーはトヨタ式ハイブリッド、セレナが安価なS-ハイブリッドを採用し、エンジン車のみのステップワゴンには低燃費のイメージを持たれなかったのです。

 そこで2017年のマイナーチェンジでは、スパーダに「SPORT HYBRID i-MMD(現、e:HEV)方式」のハイブリッド車を追加します。

 この方式は、エンジンで発電機を回して発電し、モーターで車輪を駆動、高速走行時はエンジンと車軸を直結するものです。

 動力性能と燃費に優れる方式ながら、価格とのバランスで人気復活とまでなりませんでした。

※ ※ ※

 ファミリーカーにSUVを選択する人が増えるなか、ミニバンの売れ行きが下降しているというものの、多くの人のライフステージで必要な商品であり、売れている台数が多いことに変わりはありません。

 とくにステップワゴンはミドルサイズミニバンのパイオニアであり、ホンダとしても他社に負けられないでしょう。

 ライバルとなる新型ノア/ヴォクシーも2022年1月発売と、新型ステップワゴンと同時期に登場する予定です。

 電動化や運転支援システムが進んだ現代において、ホンダがどのようなステップワゴンを提案するのか楽しみです。

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2件のコメント

  1. 初代のインパネ懐かしいなぁ。
    S-MXと共通だったなぁ。

  2. リアは??

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