二輪の「100%非ガソリン化」は実現するか 「EVバイク時代」に向けて各メーカーの考えは?
ヤマハ、ホンダの対応は?
次に、ヤマハ発動機に聞きました。
今回は、電動アシスト自転車「YPJ -MT Pro」、量産型EVバイク「E Vino」、そして電動のトライアル競技用マシン「TY-E」を展示しました。
モータスポーツ部門の統括者は、最近目立つ欧州を基点としたEVシフトの流れについて「(日本にとって)かなり厳しいが、対応せざるを得ない状況だ」と市場に対する私見を述べました。
その上で量産車モデルについて「エンジンをモーターでアシストするマイルドハイブリッドなど、さまざまな研究開発を進めているが、重量増や設計要件を考慮すると、やはりどこかのタイミングで一気にEV化することになるだろう」とこれからの方向性についても触れました。
ホンダは今回、交換式バッテリーのHonda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)を使った「BENLY e:」「GYRO e:」、そして「GYRO CANOPY e:」の3台を展示しました。
ホンダの二輪車企画担当者は「弊社のEVバイクは、EVだから好評なのではなく、商品そのものがお客さまから支持されているのが特徴です」と話します。
実際、会場に詰め掛けた多くの人が、モバイルパワーパックを実施に手に持つなど、量産モデルに対する強い期待を寄せていることが、筆者(桃田健史)の肌感覚として分かりました。
また今回、ホンダの展示は小型モデルのみにとどめており、将来的に大型バイクをどのようにEV化していくのかについての情報公開はありませんでした。
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このほか、輸入車メーカーやベンチャー企業の関係者にも話を聞きましたが、皆さんが「二輪車がEV化する時代は近い将来、確実にやってくる」という考え方を持っており「今から着実に準備をする必要がある」という共通認識がありました。
都が進める2035年の都内二輪車新車100%非ガソリン化が、これから全国的にどのような影響を及ぼすのか注意深く見ていく必要があると感じます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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