夢の「全固体電池」、日産はいつ実用化? 発表された新長期ビジョン「日産アンビション」の中身とは

2020年半ばからライダー機器を搭載した日産車が登場へ

 このほか、インテリジェント(知能化)の戦略についても事業戦略の一部を公開しました。

 日産は交通事故死者数ゼロを目指して、プロパイロットなど高度運転支援システムを量産していますが、今後は自車周辺の状況を立体画像として認識できるライダー機器を2020年代半ばから順次導入し、2030年までにはほぼ全ての車種に搭載することを目指します。

 2021年現在、日系メーカーで同種のライダーを標準装備しているのは、世界初の自動運転レベル3を実現したホンダ「レジェンド」の「Honda Sensing Elite」のみです。

レベル3自動運転が可能となったホンダ「レジェンド」
レベル3自動運転が可能となったホンダ「レジェンド」

 また、特定条件下でのレベル3やレベル4の完全自動運転についても、グローバルで国や地域で最適なパートナーとの連携を深めていくといいます。

 具体的には、欧州では英国交通研究所、アメリカでは連邦航空宇宙局(NASA)、中国ではベンチャーのWeRideとの実証試験を強化していきます。

 日本では、横浜市でNTTドコモと連携しておこなっているEasy Rideや、福島県浪江町での実証を拡充していくといいます。

 以上のように、さまざまな研究開発や実証について、電動化事業では今後5年間に2兆円、またソフトウェア・サービス事業については3兆円の投資をおこなう予定だといいます。

 今回の発表内容は、事業再生計画「Nissan Next」による事業再生の目途がつき、今年度の黒字化の可能性が高くなったことで、これから日産が進む方向性を示した羅針盤として位置付けだと、内田社長は説明します。

 事業戦略の詳細については、改めて発表する中期経営計画に盛り込まれます。

 内田新社長体制となって約2年、やっと次世代の日産の姿が見えてきたように感じます。

【画像】日産の新型オープンスポーツ「マックスアウト」世界初公開! 未来感ビシバシ感じる斬新デザインを画像で見る (32枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

1件のコメント

  1. リキッド型で現状の65%と言うことは、トップランナー達の1㎾h当たり1万円以下を指標に入れてきたと言う事か。全固体電池も上市目標をBEVで示すなど意欲的だ。
    トヨタも触発されたのか、追随してきたが、ここまでの具体性に欠ける。やはり10年以上のアドバンテージは大きいと言う事か。
    ライダー機器車に乗りたいね。10年後にそろそろ免許返納世代になる。
    是非実現させて欲しい。貧困老人じゃないから1000万くらいなら出せる。来年はサポカー補助金ももらえるから最新型ADAS車に乗り換える。600万くらい掛かるが安全装備への投資は安いもの。
    次はいよいよ人生最後の車選びだろう。期待したい。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー