じつは販売絶好調!? 街でよく見かけるホンダ新型「ヴェゼル」 発売から半年の通信簿とは
フルモデルチェンジから半年経った新型ヴェゼルの販売状況は
では、実際のこの半年の新型ヴェゼルの売れ行きはどのようなものだったのでしょうか。

まず、発売直後にホンダから出たリリースは「発売1か月で受注が3万2000台超」でした。
これは目標の6倍であり、年間目標の半分をクリアしています。まずまずというか、なかなかの良いスタートダッシュとなったようです。
驚くのは、その内訳です。なんと、93%がハイブリッド。ガソリン車はたったの7%しかありません。価格帯の高いほうがたくさん売れているというのは、ホンダとしては嬉しいことでしょう。
また、81%がFFで、4WDはわずか19%。FFのハイブリッドが主流ということは、やはり使われるのは街中が多いということでしょう。
そして、実数としては、以下のように推移していきます(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ、乗用車ブランド通称名別順位より。軽自動車を除く)。
2021年
5月 11位 4060台
6月 9位 5692台
7月 6位 7573台
8月 10位 4404台
9月 9位 3901台
10月 5位 6831台
2021年5月から10月の6か月合計 3万2461台
発売から3か月後の7月に6位まで順位をアップさせ、半年間で約3万台というペース。まずまず、順調な売れ行きといえるのではないでしょうか。
ちなみに、最強のライバルとなるヤリスクロスは、2020年8月の発売から約1年間でおよそ11万台が売れています。
それと比べられると、ヴェゼルの数字はちょっと寂しいものがありますが、それでも目標どおりの数字。決して悪くはありません。
2021年は、9月いっぱいまでコロナ禍の緊急事態宣言下という異常事態でした。それを克服しての数字と考えれば、健闘といえるでしょう。

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ただし、この先の予測はけっこう微妙なものがあります。現在のように全国的に新型コロナ新規感染者が下火になれば、クルマの販売にも期待が持てますが、一方で世界的な半導体不足で生産が滞る可能性も。プラスとマイナスの両方があるというわけです。
まだまだ、ヴェゼルの売れ行きは不透明ということ。もう少し、注目する必要があるのではないでしょうか。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。
























