全長7mの超巨大な「ぞうさん掃除車」がスゴい! 高速走行可能な「路面清掃車」 世界で1台の激レア仕様とは

高速道路の路面を安全に清掃するために、NEXCO中日本は世界で1台の新型「路面清掃車」を開発して試験導入しています。そもそも路面の清掃はどのくらいの頻度でおこなわれているのでしょうか。

路面清掃は適宜実施!安全性を向上させる新型「路面清掃車」とは?

 高速道路には、ビニール袋をはじめ、お菓子の空き箱や缶、ペットボトルといったさまざまなゴミが落ちている場合があります。
 
 では、どのくらいの頻度で路面の清掃はおこなわれているのでしょうか。

大人のインドゾウ(全長5.5m-6.5m)よりもデカイ!世界で1台の新型「路面清掃車」! 現在は試行導入中となる(画像提供:NEXCO中日本)
大人のインドゾウ(全長5.5m-6.5m)よりもデカイ!世界で1台の新型「路面清掃車」! 現在は試行導入中となる(画像提供:NEXCO中日本)

 高速道路上のゴミ問題を解消するために、高速道路などでは交通管理隊が定期的に巡回をおこない、本線上の落下物を回収したり、路面清掃車を活用してゴミ・小石の清掃をしたりしています。

 また、交通管理隊以外にも、専門の作業員が定期的に高速道路を巡回し、路肩などに落ちているゴミを手作業で回収しています。

 このような高速道路の路面清掃について、NEXCO中日本の広報担当者は以下のように話します。

「清掃の頻度は路線によっても異なりますが、常時、交通管理隊や作業員が高速道路を巡回しているなかで、ゴミを見つけ次第おこなっています」

 路面清掃によって、高速道路を利用するユーザーの安全が保たれる一方で、清掃をおこなう交通管理隊や作業員は、高速道路上でクルマから降りなくてはいけないことも多く、事故の危険性など大きなリスクを背負っています。

 NEXCO中日本によると、過去には実際に清掃をおこなっていた作業員や清掃車両の運転者が事故にあうという事例もあったようです。

 このような事故を防ぐために、NEXCO中日本では、新開発の路面清掃車両を2021年10月から、圏央道の海老名ICから相模原IC間で試行導入しました。

 新型車両のボディサイズは全長7000mm×全幅1820mm×全高2530mmで、前方には大きなホースが装備され、一見すると「ゾウ」のようなユニークな見た目をしています。

 この車両は、NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス東名が開発したもので、世界で1台のオリジナル車両となっています。

 実は、以前より海外では類似した路面清掃車が一般道路において活用されていますが、高速走行ができるような車両は存在していなかったため、今回NEXCO中日本が開発に踏み切りました。

 新型車両では、ゴミを発見するとその付近で徐行し、ホースを車内から左右に操作。作業員が車外へ出ずとも、そのままゴミを回収することができます。

 吸引されたゴミは、そのままホースを通って車両後方のホッパーに集められますが、ホッパーには最大で800kgものゴミを集積することが可能です。

 ホースの吸引口より大きなゴミを吸引することはできないため、これまで同様に作業員が降車してゴミを回収することになりますが、車両の後方部には、そうした際の安全性を考慮して、LED表示板といった安全装置も設置されています。

 また、ゴミ回収時に後方のクルマから追突された場合などを想定して、衝突緩衝装置も備えています。

 NEXCO中日本は、この新型車両を導入する効果として、「作業員が路上に降りる回数が約7割程度削減でき、清掃作業の省力化や作業員の安全性向上が期待できます」と説明しています。

 前述したように、新型車両は現在試行運転中で、担当者によると「現在、その効果についてはまだ検証中です」といいますが、2023年には本格導入される見込みとなっています。

 今後、新型車両が本格導入され、ユーザーのために道路の清掃に努める交通管理隊や作業員が、さらに安全な環境で作業できるよう期待が高まります。

※ ※ ※

 新型路面清掃車両は、交通管理隊の車両同様に、黄色のボディに赤と白の縞模様がラッピングされています。

 本格導入まで、まだ期間があり、目撃できたらラッキーかもしれません。

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