商用車がアウトドアで超使える!「はたらくクルマ」が個人ユースでも評価されるワケ
キャンプにスポーツに引っ張りだこの人気商用車とは?
自動車メーカー各社は、各種用途に使えるさまざまな商用車をラインナップしています。そこで、ビジネスユースのみならず、個人で使うのにもってこいのモデルを3台紹介します。
●トヨタ「プロボックス」
法的に商用車という定義はないものの、ほとんどの自動車メーカーがカーラインナップの区分けに商用車という表記を使用しています。
唯一トヨタだけが「ビジネスカー」と呼んでいるのですが、そんな同社を代表する人気モデルが「プロボックス」です。
全長4245mm×全幅1690mmのコンパクトなライトバンのプロボックスは、「カローラバン」の後継車として2002年に姉妹車の「サクシード」とともにデビュー。
2013年までは乗用車登録のステーションワゴンも併売されていましたが、以降はバン専用モデルとなっています。
2014年にマイナーチェンジされましたが、プラットフォームを刷新するなど改良は多岐にわたり、ほとんどフルモデルチェンジといっても過言ではない内容でした。
ラゲッジルームの使いやすさはもちろん、テーブルやトレイを用意するなどビジネスユーザーの使い勝手をとことん追求。注目は安全装備の充実で、全グレードに予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準となっています。
また、パワーユニットは1.3リッターおよび1.5リッターのガソリンエンジンだけでなく、1.5リッターハイブリッドモデルもラインナップ。長距離を走りがちなアウトドア派のユーザーからも高い評価を得ています。
●日産「キャラバン」
キャブオーバー型(ワンボックス)の商用車といえばトヨタ「ハイエース」が王者として長く君臨していますが、そのライバルが日産「NV350キャラバン」です。
かつては単に「キャラバン」という車名でしたが、2012年に発売された5代目モデルからNV350キャラバンとなり、さらに2021年10月にガソリン車がマイナーチェンジした際に再びキャラバンへと改められました。
ハイエースをあらゆる面で凌駕することを目標に開発されたモデルだけに、貨物自動車としての使い勝手は上々。荷室は長さ(奥行)、幅、高さのすべてがハイエースを上回り、ハイエースにはない分割可倒式リアシートが装備されました。
ボディラインナップは、全長の異なる「ロング」「スーパーロング」があり、幅は「標準」「ワイド」、高さも「標準ルーフ」と「ハイルーフ」を用意。
エンジンは2リッターと2.5リッターガソリンと、2.5リッターのディーゼルがあり、ハイエースで廃止になったMT(ディーゼル車)も選べるのが特徴です。
車中泊に適した「マルチベッド」やバイク、自転車を積載しやすい「トランスポーター」といった架装車をラインナップしているのも評判で、多くの非ビジネスユーザーに愛されています。
●ホンダ「N-VAN」
軽自動車の商用車は、普通車(登録車)とは基準が異なり、たとえば、荷室の床面積が普通車では1平方メートル以上必要なのに対し軽自動車では0.6平方メートル以上で許されたり、縦横ともに80cm以上とされる荷物の積卸口も縦60cm以上、横80cm以上とわずかながらですが緩和されています。
そんな軽商用車の人気モデルが、2018年にデビューしたホンダ「N-VAN」です。ホンダの軽自動車「Nシリーズ」の第5弾かつ初の商用車で、道具としての機能性を優先したスタイリングが特徴的なクルマとなっています。
装備や加飾を割り切り道具に徹した「標準仕様」のほか、レジャーユースを想定した「+STYLE FUN」グレードをラインナップ。
デビュー当初は「+STYLE COOL」というロールーフのグレードが存在しましたが、2021年2月のマイナーチェンジを機に廃止され、現在は全車ハイルーフとなっています。
積めること、そして使いやすいことに特化しており、リアシートのみならず助手席まで格納(ダイブダウン)することで、最大で2635mmものスペース長を確保。広大なフラットスペースが出現し、軽自動車とは思えないほどの広々とした空間で車中泊することが可能です。
また、全グレードで安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備なのも嬉しいところ。2018年度の「予防安全性能評価」では最高ランクの「ASV+++」を獲得しています。
搭載されるエンジンは660ccの自然吸気(53馬力)とターボ(64馬力)の2種で、自然吸気モデルには軽商用車初の6速MTを設定。WLTCモード燃費(FF車/CVT)は自然吸気エンジンが19.2km/L、ターボエンジンが18.8km/Lと大きな差がないこともあり、長距離走行の多いキャンパーには加速やパワーに優れるターボモデルが好評のようです。
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商用車というと税金など維持費の安さが注目されがちです。確かに自動車税や重量税は乗用車より格段に低くなりますが、自賠責保険は逆に高くなるケースもあります。
また、車検が初回は2年、以降は毎年(軽商用車は2年おき)になることも忘れてはいけません。整備費用はさておき、車検にかかる金額としては主になる税金が安くなるため、2年単位で考えると乗用車より高くなることはほぼありませんが、毎年という手間まで含めて考慮すると損得の判断は難しいところです。
任意保険も年齢条件を利用できない保険会社もあるため割高になるケースもあることから、個人ユースで商用車を所有する場合は実際の使い方に合っているかということも含めて選ぶとよいでしょう。
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