人気ワゴン「トール&ルーミー」はいつ電動化? ダイハツ「すみやかに軽自動車へ展開」も 簡単ではない電動化の行方とは

軽自動車の電動化はどうなるのか?

 では、軽自動車はどうでしょうか。

 たとえば「タント」はDNGAに基づいて作られていますが、パッケージングを考えるとトール同様に高いハードルが存在します。それは「タフト」でも大きくは変わらないでしょう。

 ダイハツの担当エンジニアは、電動化について次のように話しています。

「実はバッテリーだけではないのです。ハイブリッド化にあたってはハイブリッド用のトランスアクスルをエンジンと一体化して搭載する必要があり、エンジンルームの横幅を広く確保しないといけません。

 しかし、全幅に制約のある軽自動車のエンジンルームにそれを詰め込むのは簡単にはいきません」

背が高くて、床が低いことによる室内空間の広さがウリの「タント」。それを犠牲にした電動化は…商品力が薄れる?
背が高くて、床が低いことによる室内空間の広さがウリの「タント」。それを犠牲にした電動化は…商品力が薄れる?

 また、ロッキーハイブリッドの次なる電動車の登場時期に関して、開発担当者は次のように説明しています。

「次の展開をどうやるか、いつやるか……に関して、今はまだお伝えできる段階にありません。

 タイミングとしては“とても遠くはないけど、まだ少し先”という感じでしょうか」

※ ※ ※

 開発スタッフからの説明を聞いていると、将来的に軽自動車に搭載することは確実ではあるものの、すぐにではないようです。

 そして既存の軽自動車に搭載するのは難しく、次にハイブリッドが展開されるのは今後モデルチェンジ、もしくは新たに登場するモデルではないかと予想します。

 前出のようにスーパーハイトワゴンのようなパッケージングはさらに高いハードルがあるので、まずはロッキーのようなSUVタイプ、もしくは「ミラ」のような背の低いタイプから搭載されると考えるのが自然です。

 そうしたなかで、前出の開発者は「今後、軽自動車のハイブリッドモデルを出しますが、ロッキーのハイブリッドとまったく同じ方式とは限りません。幅広く検討しています」と語っています。

 今後、ダイハツの電動車がどのような形で登場するのか動向が注視されます。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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