斬新ハンドルを採用のトヨタ新型SUV「bZ4X」詳細公開! 丸形ハンドルと同時展開する理由とは

トヨタの新たなEVとして新型SUV「bZ4X」が2022年年央に発売されます。そのなかで、ハンドルの形状が2種類採用されることが判明していますが、なぜ異なる形状を展開するのでしょうか。

斬新ハンドルを採用のトヨタ新型SUV「bZ4X」 丸形ハンドルも採用するワケは?

 トヨタは、2021年10月29日に新型SUV「bZ4X」の詳細情報を公開しました。
 
 2021年4月に中国で世界初公開され、その後6月に米国でも発表していますが、それぞれでハンドルの形状が異なっていました。
 
 なぜトヨタは、ハンドル形状を異なる2種類で展開するのでしょうか。

斬新ハンドルともいえる「ワンモーショングリップ」を採用する世界初公開された「TOYOTA bZ4X Concept」(上海で公開)
斬新ハンドルともいえる「ワンモーショングリップ」を採用する世界初公開された「TOYOTA bZ4X Concept」(上海で公開)

 中国・上海モーターショー2021で世界初公開された新型bZ4Xは、トヨタの新たなEVブランドとなる「bZシリーズ」の第一弾モデルで、スバルとの共同開発による「RAV4」サイズのSUVです。

 新たに採用されるEV専用プラットフォーム「e-TNGA」はトヨタとスバルで共同開発しています。

 e-TNGAを採用することで、ショートオーバーハング・ロングホイールベース化となり特徴的なスタイリングと、Dセグメントセダン並みの室内空間を実現しました。

 また、ドライビングポジションにおいては、低いインストルメントパネルやハンドル上方に配置したメーターによる開放感や視認性の向上により安心・安全なドライビングに貢献しているといいます。

 そうしたなかで前述の通り、上海と米国で発表された新型bZ4Xは、ハンドルの形状が異なっています。

 上海では、まるで操縦桿のような斬新ともいえる形状なのに対して、米国では従来のクルマと同じ丸形を採用していました。

 ハンドルの形状によって、どのような違いがあるのでしょうか。とくに気になるのは操縦桿形状のほうです。

 これは、「ステアバイワイヤシステム」と操縦桿ハンドルを組み合わせたトヨタ初となる「ワンモーショングリップ」が特徴となります。

 ステアバイワイヤとは、ハンドルとタイヤの間にメカニカルな結合のない構造を指しています。

 メリットとしては、ハンドルを持ち替え不要なの回転角度に設定することで、Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでドライバーの負荷を大きく低減が出来るということです。

 また、タイヤからの不要な振動は遮断しながら、ロードインフォメーションなど必要な振動のみ伝達が可能となるため、路面の凹凸を乗り越えるような場合や、レーントレーシングアシストの作動時なども、タイヤの動きを制御し、車両の安定性を確保します。

 さらに、ドライバーが感じる操舵トルクとタイヤの転舵角度を独立に制御することにより操舵感を向上。

 そのほか、自由度という部分ではドライブモードセレクトと連動し、ステアリング特性の変更が出来ることや、ワンモーショングリップにより足元の空間が広まり、ドライビングポジションの自由度や乗降性が向上することもメリットとして挙げられます。

 これらのメリットから考えれば、あえて丸形ハンドルと操縦桿ハンドルを設定せずに、ステアバイワイヤを採用しない仕様でも操縦桿ハンドルのほうが良いように思えます。

 この疑問に対して、新型bZ4Xのチーフエンジニア・豊島浩二氏は次のように説明しています。

「異型ステアリング(ワンモーショングリップ)はステアバイワイヤシステムとセットして考えています。

 ステアバイワイヤシステムとの組み合わせ以外で異型ハンドルを採用しない理由として、トヨタでは使用性や操縦性などを考慮すると、現状ではこのセットが望ましいという考えがあるためです。また、丸形ハンドルに慣れている人もいますので、それぞれの仕様を導入します」

 2種類のハンドルについてトヨタは「ステアバイワイヤシステムは、まず中国市場向けとし、その後はその他市場向けに。2022年の発売以降に順次装着車を設定します。なお基本的には、同じ市場にふたつのステアリングを設定します」と話しています。

※ ※ ※

 2022年年央に日本でも発売が予定されている新型bZ4Xですが、ハンドルの形状は2種類となるようです。

 しかし、それがグレード差なのかオプションなのかをはじめとした詳細は明らかになっていません。

 斬新な操縦桿ハンドルともいえるワンモーショングリップがどのような操作性を持っているのか、新しいトヨタ車に関心が集まります。

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