「スゴいね三菱!」 超絶進化した新型「アウトランダーPHEV」発表! 新たな「三菱らしさ」とは

新型アウトランダーPHEVは「まだまだ化ける」かも?

 ちなみにS-AWCの制御は、正直にいうと先代よりも解りにくいかもしれません。

 しかし、コーナリング時のステアリング舵角の少なさから前後重量配分のバランスが変わったかのように4輪を上手に使って旋回する感じは確実にありますが、より自然に、よりシームレスに制御が介入しているのでしょう。

 思えば、先代は基本素性の悪さを制御で補うための制御だったのに対し、新型は基本素性の良さをより活かすための制御なのです。

 今回はクローズドコースということで、日常域を超えた速度域も試しましたが、ここで新型の潜在能力の高さを実感。

 ドライバーが荷重移動をシッカリおこなうとゼロカウンターでコーナーへ進入も可能です。

 もちろん、スタビリティコントロールが働くので安定方向に戻りますが、雪道やウエット路面ならともかくドライ路面でそれができるとは「新型アウトランダーPHEV恐るべし」です。

 ちなみに三菱のエンジニアは「どのようなシーンでも安心して走れる性能を備えましたが、実はフラットダートが凄く楽しいですよ」ということなので、可能ならどこかで試してみたいところです。

 とはいっても、車両重量が2トンを超えるので無理は禁物。加えて、転がり抵抗を重視したタイヤがシャシに対してやや負けている(とくにウエットグリップ)のが数少ないウィークポイントのひとつです。

 ただ、これはあくまでも限界域の話で、通常走行ではまったく問題ないのでご安心を。

新しい「三菱らしさ」が体感出来る新型アウトランダーPHEV!
新しい「三菱らしさ」が体感出来る新型アウトランダーPHEV!

 逆をいえば、新型は「まだまだ化ける」ということを意味しています。

 もし新型に復活を宣言した「ラリーアート」が存在するならば、より走りを意識したタイヤがセレクトされるはずです。

 ちなみにドライブモードによる走りの違いは先代以上に明確です。周回数が限られていたので全てを試す事はできませんでしたが、ターマックは旋回性の鋭さ、グラベルはトラクションの良さ、スノーは安定感の高さを実感しました。

 ただ、7つのモードは多すぎで各モードの使い分けも解り辛いので、もう少し整理したほうがいいと思いました。

※ ※ ※

 すべてが生まれ変わった新型は、まさに「革命」レベルの伸び代です。

 価格は先代(364万8000円から529万4300円)から若干アップ(462万1100円から532万700円)していますが、上記のような内容を考えると正直バーゲンプライスといっていいでしょう。

 先代オーナーが試乗したら絶対に欲しくなるし、今まで三菱から遠ざかっていた人も選択肢に入れたくなる魅力が備えられています。

 個人的にはランエボ/パジェロの呪縛から解けた、新たな「三菱らしさ」を持ったモデルといっていいと思っています。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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