スバルのSUVどれ選ぶ? XV/フォレスター/アウトバックを徹底比較!
高めの全高に最低地上高!本格的なSUVスバル「フォレスター」
●フォレスター
フォレスターは、全高が1700mmを超える天井を高めに設定した本格的なSUV。最低地上高も220mmを確保しており、悪路の走破力を一層高めています。
その一方で床の位置は適度に設定されており、乗降性が優れ、後席に座ると床と座面の間隔も十分に確保されています。
視線の位置も適切で、SUVやミニバンなど背の高いクルマが増えた街中でも、周囲に埋もれた印象になりません。
高速道路も含めて、見晴らしが良いために運転しやすくて快適です。ウインドウの面積も広いため、後席を含めて開放感のあるSUVに乗りたいユーザーにもピッタリでしょう。
フォレスターは全高が1700mmを超えるSUVなので、室内高にも1275mmの余裕があります。頭上の空間はタップリあり、荷室高も十分に確保され、大きな荷物も積みやすくなっています。
エンジンは、「e-BOXER」を搭載した2リッターハイブリッドと1.8リッターターボエンジン(「スポーツ」グレード)があります。後者の動力性能は3リッターのエンジン並みなので、余裕のある走りを満喫できます。
しかもターボを装着しながらWLTCモード燃費は13.6km/Lと優れ、燃料消費量も抑えられます。
重心の低い水平対向エンジンと左右対称のAWDシステムを備えることで、全高が1700mmを上まわりながら、走行安定性も良好です。
このようにフォレスターは、余裕のある最低地上高によってスバル車のなかでもとくに悪路走破力が高く、大容量の荷室を備えるために多量の荷物も積みやすいです。1.8リッターターボのハイパワーも含めて、SUVの実用性にこだわるユーザーに適しています。
グレードについては、SUVの実用性を重視するなら、2リッターエンジンのe-BOXERを搭載する308万円の「X-BREAK」がベストです。シート生地は撥水性ポリウレタンで、荷室のフロアボードにも撥水処理を施しているので、アウトドアでも気兼ねなく使えます。
SUVの実用性を備えた上で、余裕のある動力性能も欲しいなら、先に挙げた330万円のスポーツを推奨します。
フォレスターではユーザーのニーズに綿密に応えるグレード構成も魅力です。
●レガシィアウトバック
2021年10月に6代目へとフルモデルチェンジした新型レガシィアウトバックは、全長が4870mm、全幅は1875mmというLサイズのボディを備えています。
エンジンは1.8リッターターボエンジンで、3リッターエンジンに匹敵する動力性能とWLTCモード燃費が13km/LというLサイズの割に優れた燃費性能も両立させています。
レガシィアウトバックは、スバル車のなかでは基本設計がもっとも新しいため、最新のアイサイトに加え、高速道路で高度な運転支援をおこなう「アイサイトX」が全車に標準搭載されました。
高速道路上の渋滞ではハンズオフによる運転支援を受けられ、作動中は車間距離や速度の調節に加えてステアリング操作も支援。ドライバーはステアリングとペダル操作の両方の負担が軽減されます。
そして最低地上高は213mmを確保したことで路面のデコボコも乗り越えやすく、ロングドライブの途中に雪道や悪路があっても、快適な運転を安心して続けられます。
その一方で、ワゴン風の外観によって全高を1700mm以下に抑えたので重心も高くならず、高速道路の直進安定性も優れています。
ハンズオフによる運転支援機能と併せて、長距離を移動する機会の多いユーザーに最適です。
Lサイズのボディとあって車内も広く、4名で乗車しても荷物をタップリと積めます。グレードは、SUVの野性味を重視するなら414万7000円の「X-BREAK EX」、上質な雰囲気で選ぶなら429万円の「リミテッドEX」を推奨します。
レガシィアウトバックはスバルの最上級モデルでもあるため、何台もスバル車を乗り継いだユーザーにも相応しいでしょう。「レガシィ」の車名も、その位置付けを象徴しています。
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長い歴史を持つスバルのSUVですが、現行販売されているモデルではそれぞれ個性的な特徴があります。
自身の用途に合った一台を見つけてみてください。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
駐車場が全高1550mm制限だからXV一択
全幅が1800mm以下のSUVの中では比較的全長が長めなのも良い