5m超のトヨタ巨大ミニバン「シエナ」はなぜV6廃止した? 「顧客第一」貫く姿勢 その理由とは
トヨタの北米法人は、2021年10月21日に「シエナ」の開発責任者を務めたクレイグ・ペイン チーフエンジニアのインタビューを公開しました。全長5m超えのボディを持つトヨタの海外専売ミニバンとして知られるシエナですが、どんな点を意識して開発されたのでしょうか。
ユーザーのリアルな使い方を学び続けることが需要
トヨタの北米法人は、北米を中心に展開されるミニバン「シエナ」の開発責任者、クレイグ・ペイン チーフエンジニアのインタビューを2021年10月21日に公開しました。
シエナは、4代目となる現行モデルが2020年5月に発表された後席両側スライドドアを備えるミニバンで、ボディサイズは全長5174-5184mm×全幅1994mm×全高1740-1770mm。
北米のほかに台湾や韓国にも投入されており、2021年8月には中国仕様も発表されました(年内発売予定)。
そんなシエナですが、4代目の開発にあたってチーフエンジニアのクレイグ・ペイン氏はどのようなポイントを重視したのでしょうか。
トヨタの北米法人が公開したインタビューでは、クレイグ・ペイン氏の経歴も含めて紹介されています。
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――あなたのトヨタでの仕事について教えてください。
現在私は、シエナの開発担当チーフエンジニアを務めていますが、じつはシエナの生産開始時期よりも前からトヨタに在籍しています。
私は1996年に、ボディとシャシの強度評価グループに所属するチームメンバーとして入社しました。2005年に製品開発チームに異動し、初代「ヴェンザ」を担当した後、シエナや「ハイランダー」などのミッドサイズSUVを担当しました。
私のチームは全体的に車両や商品の企画を担当しており、お客さまのニーズを満たすために、営業と協力して価格や仕様を決定したり、デザイン部門や製造部門と協力してお客さまの体験を向上させたりと、チームと全社的に協力しています。
――エンジニアリングや商品開発のプロセスにおいて、ユーザーはどのような役割を果たしているのでしょうか。
もっとも重要な役割です。トヨタではこれは誰にでもいえることで、会社のどの分野で働いていても、常にお客さまが中心です。
私たちの仕事の多くは、お客さまが何を求めているかを判断し、それをクルマに反映させることです。ですから、お客さまからのフィードバックは、開発プロセスにおいて不可欠なステップなのです。
車両に追加することを検討している新機能があれば、モックアップを作成してカスタマーフォーカスグループと共有し、実際のエンジニアリングに入る前にお客さまの意見を聞くことができます。
開発プロセスを通じて複数のフォーカスグループを開催しているとはいえ、私たち自身が消費者でもあるのです。私たちや近所の人、友人、家族の多くがクルマに乗っているので、彼らと話をしたり、彼らがどのようにクルマを使っているのかを見たりすることができます。
お客さまがどのようにシートを使っているのか、鍵やバッグをどこに置いているのか、カップホルダーをどのように使っているのかなど、実際に目で見て確認することができます。そして、お客さまの言葉や私たちの観察結果を、現実のものにしていくのです。
エンジニアとしてはできるだけ多くの使用用途を考えていますが、お客さまの使い方は千差万別ですから、お客さまの声を聞き、見て、学ぶことが大切なのです。
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