5m超のトヨタ巨大ミニバン「シエナ」はなぜV6廃止した? 「顧客第一」貫く姿勢 その理由とは

ハイブリッド専用車への移行 大変だった点とは?

――ユーザーが将来のクルマにもっとも求める機能は何でしょうか。

 今日の自動車は、お客さまだけでなく、日々利用するさまざまなテクノロジーとシームレスにつながっていなければなりません。これにより、新たな期待と課題が生まれ、同時にお客さまの体験全体を向上させる新たな機会も生まれています。

 また、お客さまが拡張性を求めていることもわかっています。お客さまはクルマを自分のものにしたいと考えていますから、私たちも拡張性を提供したいと思っています。クルマは、お客さまの生活を補完するものでなければなりません。

トヨタ「シエナ」開発責任者のクレイグ・ペイン氏
トヨタ「シエナ」開発責任者のクレイグ・ペイン氏

――ユーザーのことを考えたクルマづくりの醍醐味は何でしょうか。

 クルマが、お客さまが自立する一助になることです。2歳の子どもが1人でクルマに乗れるようになったり、12歳の子どもが軽い力で3列目シートを収納できるようになったり、80歳の方が誰の助けも借りずに約束の場所に行けるようになったりと、自立しているという実感が得られれば得られるほど、モビリティの価値が向上していきます。

――シエナには、ユーザーが気づいていないような、生活をより快適にするための新機能がありますか。

 大人だけでなく、お子さまや多世代のご家族の利用も想定されています。

 シエナの後部座席には、アシストグリップなどの小さな工夫が施されています。これは、2歳から3歳ぐらいのお子さまが体を動かせるようになると、自立した感覚を欲しがることを知っているからで、アシストグリップにより乗り降りがしやすくなります。

 また、お年寄りの方の中には乗り降りが困難な方もいらっしゃると思いますが、そのような方のためにステップ高を低く設定しています。このように、利便性を高めるためのお客さまが気づかないようなちょっとした工夫が、意図的に施されているのです。

 また、私はセンターコンソールのデザイン変更をとても気に入っています。このスタイルのコンソールを採用することで、この種のクルマに必要な大きな機能的な開口部やコンソールボックスのスペースを確保しつつ、全体的なインテリアの雰囲気を変えています。

――4代目シエナでもっとも重要な変更点として、ハイブリッド専用車になった点が挙げられます。そのエンジニアリングプロセスについて、少し教えてください。

 私がもっとも誇りに思っていることのひとつは、シエナのパワーユニットラインナップからV型6気筒などのガソリン仕様を廃止し、ハイブリッド専用車に移行したという決断です(2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターを搭載)。

 燃費を向上させ、環境への影響を低減させることは、お客さまにとっても当社にとっても重要なことなので、これは当然のことです。

 私のチームは、新しいパワーユニットを使用しても目標とする性能を達成できるようにするため、非常に大きな仕事をしました。

 また、クルマの加速感やトランスミッション(電気式無段変速)の制御など、ドライビング・ダイナミクスに対するお客さまの期待にも気を配り、ハイブリッド専用車になっても期待を損なわないように努力しました。

※ ※ ※

 シエナは日本で販売されないモデルではあるものの、2021年10月16日・17日には神奈川県の商業施設「トレッサ横浜」内でシエナの実車が特別展示されました。

 2021年現在、国内導入の予定はないというものの、近いボディサイズのミニバン「アルファード」がトヨタの国内ラインナップで上位の売れ行きを見せていることから、シエナも国内導入されれば一定の人気を集めそうです。

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