寒い季節の強い味方? 「水なし洗車」って実際どうですか? 意外なメリット・デメリットとは
最近見かける機会の増えた「水なし洗車」について調査してみました。本当に水を使わなくてもキレイになるのでしょうか。気になる疑問点をプロに聞いてみました。
水がない駐車場でもできる! 洗車時間も短縮でき緊急時には最適
大切な愛車は常にきれいにしておきたいと思うのはごく自然な感情です。
しかしマンションの立体駐車場や屋外駐車場などでは水が使えない、または水を使った洗車がしにくいケースも多々あります。
最近では、「水なし洗車」という方法もあるようですが、水を使わずにキズもつけずにキレイにするコツとはどのようなものなのでしょうか。
水なし洗車は、その名の通り水を使わないので、駐車場に停めたままで洗車でき、隣に停まっているクルマに水が飛び散る心配もありません。
水には、砂やホコリをボディ表面から浮かせる効果があり、昔からボディやホイールなど外側の汚れは「水で(汚れを)浮かせて洗い流す」というのが基本でした。
そうしたなかで登場した水なし専用溶剤を使った商品は、スプレータイプやウエットティッシュのような布タイプなど複数のものが展開されています。
この水なし専用溶剤には、洗浄成分とコーティング成分が配合され、汚れを浮かしつつ、表面に撥水効果のある膜が形成されるため、例えるならクルマ版「リンス・イン・シャンプー」に近いものといえそうです。
しかし本当に洗車できるのか気になる部分もあります。都内でクルマの板金・塗装を手がけるN氏に水なし洗車について聞いてみました。
「水なし洗車は水洗いが不要なので、水道設備がない駐車場でも作業できることが大きなメリットです。
とくに東京などは駐車するスペースも狭く、近隣の住宅との距離も近いので、ホースで放水できない環境も多いのが現状です。
基本的に水を使わないということは汚水もほとんど出ません。さらに専用の溶剤と拭き取り用クロス、仕上げ用クロスがあれば作業できるという、用具の少なさもメリットだといえます。
また、カーシャンプーと大量の水を使用してボディの汚れを洗い流す手間が省ける分、大幅な時間短縮が期待できます。周囲を汚さずに手早く仕上げられるのが魅力です」
では、水なし洗車のデメリットとはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
「クルマを動かさずに洗車できるのは大きなメリットなのですが、逆にいうと目に見える範囲(手が届く範囲)しか洗車できないということでもあります。
クルマはさまざまな金属や樹脂パーツなどが複雑に組み合わさっていますが、それらの狭い隙間に入り込んだホコリなどを洗い流すことができません。
そのため、手が届かない、見えない部分は綺麗にしにくいというデメリットがあります。
また、水なし洗車にとって最大の弱点が、洗車キズができやすいということです。
通常の洗車のように大量の水で微細な汚れを洗い流すことができないので、見えないキズがついてしまうケースも考えられます。
しかも溶剤のなかにはワックス成分などツヤ出し効果のある成分が含まれているため、その場では見えづらいです。
キズを付けやすい水なし洗車だからこそ、かなり慎重に作業する必要があります。
そのほか、ひどい汚れには適していません。商品の注意書きにも汚れがひどい場合は水洗いで落としてからと記述されています」
また最近は、この水なし洗車の出張サービスを展開している業者が増えています。
出張サービスは、自宅(または駐車場)にクルマを置いたままの状態で作業するため、作業に立ち会う必要はなく、クルマを使わない時間を有効活用出来ます。
前述のN氏は、次のように話しています。
「自分で水なし洗車するよりプロにお任せしたほうが仕上がりもいいと思います。
ただし、自分で作業するよりはるかにコストがかかります。業者によって価格差はありますが、小型車クラスで3000円から7000円、普通車以上になると1万円を超えてしまうケースもあるようです。
決して水なし洗車の出張サービスを否定するわけではありませんが、それだけの予算をかける理由がある場合を除き、通常の水を使った洗車のほうが全体的にクルマも綺麗に仕上がります」
※ ※ ※
水なし洗車は、あくまでも立地的要素や時間的要素などで制約がある場合などに有効的に使えるものだといえます。
その一方で場所や時間に囚われないのであれば、愛車を自分の手で洗車するとより一層の愛着が湧くかもしれません。
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