メルセデス・ベンツ新型「Cクラス」はどう進化した? メルセデス流のセダンらしさとは

操作に対する反応が速く、よくいえばスポーティな走り

 その走りはどうだったのでしょうか?

 今回は日本でもっとも売れ線といわれる「C200アバンギャルドAMGライン装着車」で、一般道からワインディング、高速道路とさまざまなステージを走ってきました。

メルセデス・ベンツ新型「C200アバンギャルド」のインパネ
メルセデス・ベンツ新型「C200アバンギャルド」のインパネ

 パワートレインはスペック以上の違いを感じました。

 先代はエンジンのトルクバンドを上げ(3000−4000rpm)効率を高める代わりに、低回転域はBSGがカバーと、内燃機関と電動パワートレインを適材適所で使う考え方でしたが、新型は再びトルクバンドが下がり(1800−4000rpm)、その上でISGが上乗せ……というイメージなので、実用域の力強さはもちろんですが、アクセルを踏んだ時のレスポンスや応答性は従来と比べると俊敏で、ダイレクト感は強めに感じました。

 実は乗り始めた直後は「えっ、扱いにくいかも!?」と思ったものの、すぐに慣れたのはスロットル早開きのようなギミックではなく、パワートレインのレベルアップがそう感じさせたと、筆者は解釈しています。

 ハンドリングに関しても同じ印象で、操作に対する反応が俊敏になっています。例えるなら、先代は各部に薄皮が3枚くらい入っているかのような穏やかさがありましたが、新型はそれが1枚に減ったようなイメージで、結果としてダイレクト感がより高まっています。

 このあたりは、リアアクスルステアリングに加えて10%クイック化されたステアリングレシオはもちろん、それ合わせて最適化されたサスペンションのセットアップやタイヤセレクトなども影響しているはずです。

 こちらもパワートレインと同じく初期応答を重視のような演出ではなく、コーナリング時の力の伝達がより短く・より効率よくおこなえるようになった結果だと思っています。その証拠に高速道路の走行時はいつものメルセデスで、手をそっと添えるだけで矢のような直進性はシッカリと備わっています。

 ちなみに運転支援システムは、Sクラスから採用の最新スペックを搭載。多くの人が使うアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は、ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサー、ステアリング支援はステレオマルチパーパスカメラと360度カメラシステムを使うことで、より滑らか、より精密な制御になっている事を実感。従来は「上級モデルはいいけど、普及モデルは」と性能差がありましたが、新型では共通です。

 快適性は、大きなうねりの吸収のさせ方、スピードともに人間の感覚にあった印象で「さすがメルセデス!」と感心する一方で、不快なほどではありませんが、細かい凹凸に対しては角のあるコツコツ感とヒョコヒョコとした動きが少し気になりました。

 ちなみに試乗車は走行500km+αの卸し立てで、おそらく距離を重ねていくにつれて、良い方向になるのは間違いないでしょう。

【画像】どこが変わった? メルセデス新型「Cクラス」をチェック(25枚)

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