メルセデス・ベンツ新型「Cクラス」はどう進化した? メルセデス流のセダンらしさとは
2021年6月29日に日本で発表されたメルセデス・ベンツ新型「Cクラス」。この秋にガソリンモデルの「C200」およびディーゼルモデル「C220d」の納車が始まったタイミングで、C200に試乗しました。新型Cクラスはどのように変わったのでしょうか。
インテリアはまさに「小さなSクラス」
1982年に登場した190シリーズ(W201)を起源とするメルセデス・ベンツ「Cクラス」がフルモデルチェンジをおこない、このたび日本に上陸しました。190シリーズを初代と数えると、今回のモデル「W206」は6世代目となります。
エクステリアは全体的に先代の面影も残りますが、短いオーバーハングやロングホイールベース、絞り込まれたリアの形状などは、「プチSクラス」といっていいくらい堂々としたスタイルです。
個人的にはよりスポーティ、より後輪駆動らしさをアピールしているように感じました。これは筆者(山本シンヤ)の推測ですが、SUVがメインストリームの時代だからこそ、セダンの価値のひとつである「カッコ良さ」を意識したデザインになったのでしょう。
どちらかというと質実剛健の要素が強かった歴代モデルと比べると、これは大きな変化かもしれません。パッと見では「Cクラス、お前もボディ拡大か!!」と思われがちですが、ボディサイズは全長4785mm(+85mm)×全幅1820mm(+10mm)×全高1435mm(+5mm)と、全長以外は先代とほぼ同サイズとなっています。
インテリアは全面刷新です。メーターは庇のないフル液晶、センターには11.9インチのメディアディスプレイ(ドライバー側に6度傾いている)と、Sクラスのそれと同じフルデジタルコクピットを採用。電動シート調整も静電式に変更されています。フラッグシップから普及モデルへの水平展開の早さは「さすがメルセデス!!」といったところでしょう。
ただ、インパネ形状は先代を踏襲したセンターコンソールや楕円形のエアコン吹き出し口、さらにツインスポークのステアリングなどはCクラス独自で、エクステリアに合わせスポーティな印象を強めています。
スポーティなエクステリアデザインながら、パッケージの工夫で居住性は高められており、後席のヘッドルームは先代+13mm、足元は先代+21mm拡大。先代モデルは平均的なスペースだった事を考えると、嬉しい進化です。
パワートレインはガソリンが1.5リッター直列4気筒ターボ+ISGと、2リッター直列4気筒ターボ+モーターのプラグインハイブリッド、ディーゼルは2リッター直列4気筒ターボ+ISGの3タイプを設定。つまり、全モデル電動化……ということになります。
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今回試乗したのは1.5リッターターボ+ISGの「C200」ですが、このエンジンは新開発のM254型で204馬力/300Nmのパフォーマンス。ISGの出力も15kWに引き上げられています。
組み合わされるトランスミッションは9速ATとなっています。
プラットフォームは一新され、Sクラスと同じ「MRAII」を採用、サスペンションはフロント・4リンク/リア・マルチリンクとなっています。
注目なのはSクラスで話題となった後輪操舵(リアアクスルステアリング)がCクラスにも設定されたことでしょう。
街乗りでの取り回しの良さ(最小回転半径5.0m)と高速走行時の安定性を、高い次元で両立させるための大きな武器というわけです。
先代はISGではなくBGSですよ
BSGです笑
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。