もう「豪華なランクル」じゃない! レクサス新型「LX」何が変わった? 14年ぶりの全面刷新の成果とは

新型LXに初のFスポーツ設定! さらにはハイブリッドの噂も…

 さらにビックニュースなのは、LX初となる「Fスポーツ」の設定です。

 専用のサスペンション/EPSセットに加えて、パフォーマンスダンパー(前後)、トルセンLSD、リアスタビライザー、鍛造アルミホイール(22インチ)などの専用装備が奢られています。

 エクステリアはFメッシュのスピンドルグリル(漆黒のクロームグリルフレーム)、インテリアは専用ステアリング/シフトノブ/シートなどが採用されています。

 パワートレインは、従来モデルの5.7リッターV型8気筒エンジンを廃止し、LS譲りのダウンサイジングエンジンとなる3.5リッターV型6気筒ツインターボ(LX600)がグローバルでのメインユニットで、ロシア・東欧をはじめとする一部の地域にはディーゼルの3.3リッターV型6気筒ツインターボ(LX500d)をラインナップ。

 電動化に関しては現時点でのアナウンスはありませんが、電動化に積極的な姿勢を見せるレクサスを考えると、将来的に2021年9月に発表されたトヨタ新型「タンドラ」用に開発されたハイブリッドユニットの水平展開も無いとはいえないような気がしています。

米国ではLX初となる「Fスポーツ」がラインナップすることが発表されている
米国ではLX初となる「Fスポーツ」がラインナップすることが発表されている

 このように見ていくと、ランクル300系に対してオンロード性能を重視したように思えますが、オフロード性能も抜かりなしです。

 歴代LXが引き継ぐホイールベースの黄金比2850mmの継承はもちろん、対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレイクオーバーアングル)や最大安定傾斜角44度、登坂能力45度、最大渡河性能700mmと従来モデルと同等の性能を維持しています。

 加えて、路面状況に応じたオフロード走行支援をおこなうマルチテレインセレクトはランクル300系と同じくブレーキ油圧/駆動力/サスペンションを統合制御する進化版。

 さらに駆動力とブレーキ油圧を制御するクロールコントロールはECBを活かすためのLX専用仕様で静粛性にも考慮したスペックです。

 日本向けには3つのディファレンシャルロック(フロント・センター・リア)と18インチタイヤの採用に加えて、さらにオフロード性能引き上げた「OFFROAD」も用意されています。

 このグレードはマッドグレー塗装のホイールやブラック塗装のアーチモール、ダークメタリック塗装のフロントグリルなど専用エクステリアも特徴です。

※ ※ ※

 レクサスインターナショナルの佐藤恒治プレジデントは、新型について「すべてLXでありながら、まったく異なるLX」と語っています。

 前述の特徴からもわかるように、新型LXは歴代モデルと同じくランドクルーザーをベースに開発がおこなわれていますが、筆者(山本シンヤ)は佐藤プレジデントの言葉をこのように解釈しています。

 初代から3代目は言葉を選ばずにいうと「豪華なランクル」だったのに対して、新型は「ランドクルーザーの武器を用いたレクサス」になったということです。

 この辺りはレクサスのブランドの変革も大きく寄与しているのでしょう。

 恐らく従来モデルは「いかにトヨタと差別化するか?」に注力していたように感じましたが、現在は「トヨタというプラットフォームのなかで、レクサスの役目は?」という考えに変わっているように感じます。

 そのひとつの答えが次世代レクサスの第一弾となる新型NX、そして第二弾の新型LXだと認識しています。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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4件のコメント

  1. 結果的にダサいデザインには変わらない。オフロードにも街乗りにもどちらにもあってない造りに、空気抵抗などは皆無。ランドローバーやJeepを見習ってほしい。

  2. かなり堅いイメージだがこんなものでしょう。内装もかなり単純で日本向けでは無いような気がする。でも乗ったら至福の時を味わえそうな気がする。今RXに乗っていますが満足していますから乗り換えるまでは行きませんね!でも右ハンドル車を見たかったですね。

  3. エンジンのダウンサイジングでランクルと同じくV6だけになってしまったようだ。迫力のあるV8サウンドが聞けなくなってしまってとても残念だ

  4. もっと「豪華なランクル」以外の何物でもない。

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