普及率はまだ1割未満! 「ETC2.0」って普通のETCとどう違う?買い換えるメリットとは
2022年にはいまのETC車載器が使えなくなる!?
ETC2.0には、じつは料金的なメリットもあります。関東圏にある圏央道では、ETC2.0で決済すると、クレジットカード会社から請求される段階で割り引かれるのです。圏央道をよく利用する人なら、ETC2.0は間違いなくお得になるといってよさそうです。
また、指定の道の駅を利用する場合は、高速道路を降りて再び高速道路に戻ってもターミナルチャージが徴収されないことも見逃せません。
高速道路料金は、利用距離に応じた料金以外に、料金所を通過するたびに1回あたり150円のターミナルチャージが加算されます、このサービスを利用することで、これが加算されずに済むのです。
もちろん、その途中で高速道路外の料金の安いガソリンスタンドや、道の駅以外のお店に立ち寄っても構いません。全国の高速道路には25km以上SA/PAがない区間が100か所ほどあり、このサービスはそうした区間を走行する際にも役立ちます。
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これは直接ETC2.0とは関係ありませんが、ETCには「2022年問題」と呼ばれる問題があります。これは電波法の改正により、2022年12月1日以降、一部のETC車載器が使用できなくなることを指します。
ETCのような無線設備には、混信を防ぐために、必要周波数帯の周辺部に不要電波が発射されている(スプリアスと呼ばれる)のですが、この規格が改正されたことで、ETC車載機も対応しなければならなくなりました。
ただ、日本では2005年12月1日から新たな許容値が適用されており、それに対応していないETCは、2007年ごろまで販売されていた機種のみです。その意味で、2010年以降に販売されたETC2.0は、安心して使えるというわけです。
それとETCには「2030年問題」もあります。それは不正利用を目的に、セキュリティ規格を変更するという話です。
国土交通省などは「具体的な規格変更時期は現時点では未定だが、遅くとも2030年頃には変更する予定」との発表をおこなっています。まだ間があるとはいえ、これには相当数のETCが該当するものとみられ、これによっていま使用しているETC機器が使えなくなるとなれば、社会的にも大きな問題となるはずです。
ただ、これもETC2.0はほぼ対応済み。カード挿入口に「●●●」という三つの印があるはずです(初期のDSRC車載機除く)。
こうした状況からして、ETC2.0を選ぶメリットは十分にあるということが理解していただけるでしょう。
とはいえ、いま使えているETCを、ETC2.0に取り替える必要まではないと思います。あくまでクルマを入れ替えるとか、ETCを新たに装着する機会があるのであれば、筆者はETC2.0をお勧めする、ということです。
カーナビを装着し、遠くまでドライブする機会があるなら、交通情報が連携できるETC2.0を選ぶべきでしょう。ただ、近所しか走らず、高速道路はまれにしか利用しないならば、いまのままのETCでもいいかもしれません。そうした利用状況を踏まえた上で、どちらが最適なのかを考えて選んでほしいと思います。
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