普及率はまだ1割未満! 「ETC2.0」って普通のETCとどう違う?買い換えるメリットとは
すでにほとんどのクルマで使われているのがETCです。ただし「ETC2.0」になると全体の1割ほどで、まだ普及していないのが現状です。そもそもETC2.0とはなんでしょうか。そしてどんなメリットがあるのでしょうか。
ETC2.0なしでは交通情報を受信できなくなる可能性も
高速道路などの通行料金を電子的に支払うシステムが「ETC(エレクトロニック・トール・コレクション)」です。
日本では2001年に一般利用が開始され、国土交通省の資料によれば、昨年2020年末までの総セットアップ件数(累計件数)は1億台を突破。利用率も、昨年末の統計では93%を超えるまでになりました。
もはや高速道路の通行料金は、ほとんどがETCで決済されているといえるでしょう。
しかし、これを「ETC2.0」だけに限ると、総セットアップ数は753万台程度。つまり全体の1割にも達していません。この差にはどんな理由があるのでしょうか。
まずETC2.0とはなんなのでしょうか。
それは、ひとことで言えば「ETCの進化版」です。2010年に「ITSスポットサービス」として登場し、2014年より現名称に変更されて、いまに至ります。
最大の特徴は、ETCが料金決済の単機能しか持たないのに対し、ETC2.0は「大容量かつ高速双方向通信」機能を備え、基本スペックでETCよりも多彩なサービスが受けられるようになっていることです。
それだけに、機器単体の価格がETCよりも割高です。
たとえばETCなら量販店などで1万円以下で買えますが、ETC2.0だと最低でも2万円はかかります。これが自動車メーカーの純正品ともなれば、その差はさらに開きます。料金決済の便利さだけを求めるのであれば、この負担は決して小さくありません。
では、2倍近い車載器の価格差があることを乗り越えてまでETC2.0を選ぶメリットはあるのでしょうか。
結論からいえば、高速道路をよく利用する人ならETC2.0をお勧めできます。
そのいちばんの理由は、今後高速道路走行中の道路交通情報を得るにはこれが必須となるからです。
これまで高速道路の交通情報は、VICSによる電波ビーコンで提供されてきましたが、国土交通省は今後、これをETC2.0による提供する方法に切り替える方針です。
国土交通省では、以前よりETC2.0を使った「スマートウェイ」構想を掲げています。これまで車載器をバラバラで使い、VICSやETCなどのサービス提供を受けてきましたが、これらを一台の車載器にまとめて対応できるようにすることを狙っているのです
その背景としては、これまで整備してきた電波ビーコンの経年劣化が進んできていることがあります。
VICSが提供されはじめたのが1996年。それから機材の更新はおこなわれてきましたが、国土交通省としてはより大容量通信がおこなえるETC2.0へ切り替えていく方針で、すでにITSスポットは全国約1700か所に整備済み。ここまま行けば近い将来、ETC2.0なしでは交通情報が受信できなくなる可能性が高いのです。
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